複数のWAN-IFから安定通信できるWAN-IFを選択する中継装置の発明 バッファロー



 複数のWANインタフェースを備える中継装置が複数のWANインタフェースのどれを使用してインターネットに選択するか、という選択方法に関連する発明です。

 この発明では、WANインタフェースそれぞれの基地局からの電波強度の変化が小さいものを選びます。これにより、PCなどの安定通信を図ります。

 特許第5899815号 株式会社バッファロー
 出願日:2011年11月2日 登録日:2016年3月18日



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複数のWANインタフェースの選択の問題

 パソコンなどの通信端末と無線LAN(Wi-Fi)で接続するネットワークインタフェース(LANインタフェース, LAN-IF)と、携帯電話網などを介してインターネットに接続するネットワークインタフェース(WANインタフェース, WAN-IF)とを両方備える中継装置が普及しています。この中継装置は、ポケットWi-Fiに代表されるいわゆるモバイルルータの位置付けの装置です。明細書内には、可搬型ネットワーク中継装置、可搬型ネットワーク通信装置という言葉が使われています。

 また、中継装置には、インターネットに接続するWANインタフェースを複数備えるものがあります。

 このような中継装置において、どのWANインタフェースを使用するかの選択は、従来、消費電力や上位レイヤのプロトコルに基づいて行われており、通信状況(遮蔽物の数や種類)を考慮するものはありませんでした。そのため、通信状況が変化する場合にインタフェースの選択が適切になされないという問題がありました。

複数のWAN-IFから安定通信できるWAN-IFを選択

 この発明の中継装置は、複数のWANインタフェースそれぞれが受信する基地局からの電波の受信信号強度を繰り返し測定します。そして、受信信号強度の単位時間当たりの変化量を算出し、単位時間当たりの変化量が最も小さいWANインタフェースを、中継用のインタフェースとして選択します。

 つまり、この中継装置は、基地局からの信号強度があまり変わらない基地局と接続するインタフェースを中継用インタフェースとして選択します。なお、この受信信号強度の変化量の測定方法には様々な方法がありますが、位置情報から特定する方法に限定されています(限定することによって特許がとれています)。

 例として、鉄道車両内における中継装置が、鉄道車両に設置された無線LANアクセスポイントと、車外にある無線基地局とのどちらに接続するかを選択する状況が示されています。中継装置は、鉄道車両に設置された無線LANアクセスポイントからの電波の受信信号強度の変化量の方が小さいため、こちらを選択します。

 これにより、より安定にインターネットに接続することができます。

【課題】
可搬型ネットワーク通信装置を用いた通信の安定性を向上させる。
【請求項1】
 可搬型ネットワーク通信装置であって、
 互いに異なる無線ネットワークに属する無線基地局との間で無線通信を行う複数の第1のネットワークインターフェイス部と、
 前記複数の第1のネットワークインターフェイス部のうち、いずれか1つの前記第1のネットワークインターフェイス部を利用して、パケットの送受信を行う通信処理部と、
 各前記第1のネットワークインターフェイス部について、前記無線基地局から受信する信号の受信信号強度を決定する受信信号強度決定部と、
 各前記第1のネットワークインターフェイス部について、前記決定された受信信号強度の単位時間当たりの変化の大きさを示す変化値をそれぞれ算出する信号強度変化算出部と、
 前記算出された変化値に基づき、前記複数の第1のネットワークインターフェイス部のうち、前記通信処理部によるパケットの送受信に用いられる前記第1のネットワークインターフェイス部である使用ネットワークインターフェイス部を選択する、インターフェイス選択部と、
 を備え、
 前記受信信号強度決定部は、少なくとも1つの前記第1のネットワークインターフェイス部について、他の前記第1のネットワークインターフェイス部を用いて前記可搬型ネットワーク通信装置の位置情報を検出し、前記検出した位置情報に基づき前記受信信号強度を決定する、可搬型ネットワーク通信装置。

今日のみどころ

 複数のWANインタフェースをもつ中継装置を利用すると、PCなどの無線LANの設定を変えずにWANを切り替えられます。そしてこの中継装置が複数のWAN-IFのうちから適切なインタフェースを選択してくれます。その結果、PCなどはWANが切り替わったことを意識せずにインターネット接続を維持できる便利さがあります。
 
 特許的には、中間処理で受信信号強度の測定方法を位置情報から特定する構成に限定することで特許査定が得られています。いろいろな実施例が考えられる場合には、明細書内にいろいろ書いておけば、それを使って補正することで特許が得られる可能性がでてきます。中間処理では追加できないので、出願時に明細書にいろいろ書いておきましょう。