【特許紹介】オフラインのコード決済で利用可能なコード画像の個数をわかりやすくする特許発明(LINE Pay)を紹介

 今回は、QRコード決済に関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、オフラインのコード決済で利用可能なコード画像の個数がわかりにくいという問題があります。

 本発明では、オフラインのコード決済で利用可能なコード画像の個数を画面に表示します。これにより、ユーザは、コード画像の個数をわかりやすく知ることができます。



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 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

オフラインのコード決済で利用可能なコード画像の個数がわかりにくい問題

 QRコードなどのコード画像を用いた決済サービスが普及しています。

 コード画像を用いた決済サービスでは、購入者は、スマートフォンなどの端末にコード画像を表示させ、そのコード画像が店舗の端末(例えばレジの端末)に読み取られることで、決済がなされます。

 コード画像を用いたオフラインの決済サービスも検討されています。オフラインの決済サービスでは、オンラインの時にサーバからコード画像をスマートフォンなどの端末で取得して保存しておいて、オフラインの時にそのコード画像を利用して決済をします。

 その場合に、スマートフォンに記憶されているコード画像の個数がユーザにとってわかりにくいという問題があります。

オフラインのコード決済で利用可能なコード画像の個数を画面に表示する


 この発明のプログラムは、スマートフォンに記憶されているコード画像の個数をユーザに報知することができます。

 まず、端末は、複数のコード画像(第1情報)をサーバから受信して記憶します。このときは、端末がオンライン(つまりサーバと通信可能)であることが想定されます。

 次に、決済サービスが利用されるときには、端末は、複数のコード画像と、決済に利用可能なコード画像の個数を端末の表示画面に表示します。

 利用可能なコード画像の個数は、いろいろな態様があり、例えば、「×4」というように数字で示すもの、ゲージのように図形で示すもの、などが例示されています。

 その後、表示画面の表示に基づいて、決済処理を実行します。

 このようにすることで、端末は、決済に利用可能なコード画像の数をユーザに知らせることができます。ユーザは、コード画像の個数をわかりやすく知ることができます。

 特許第6825160号 LINE Pay株式会社
 出願日:2020年9月25日 登録日:2021年1月15日

【課題】
コード画像が記憶部に記憶されている個数をユーザに報知する。
【請求項1】
 コード画像による決済を行うための第1情報に基づいて前記決済に関する処理を実行する端末によって実行されるプログラムであって、
 複数の前記第1情報を、前記端末の通信部を介してサーバから受信することと、
 受信された複数の前記第1情報を、前記端末の制御部によって前記端末の記憶部に記憶する制御を行うことと、
 前記第1情報に基づく第1コード画像と、複数の前記第1情報のうち、前記決済に利用可能な前記第1情報が前記記憶部に記憶されている数に関する情報とを前記端末の表示領域に表示することと、
 前記第1コード画像の前記表示領域への表示に基づき、前記決済に関する処理を前記制御部によって行うこととが前記端末によって実行される。

今日のみどころ

 オフラインのQRコード決済を想定して、スマートフォンなどの端末に記憶されているQRコードの個数を画面に表示するという発明です。

 QRコードの個数を表示するということなので、ポイントはすごくシンプルです。これでしっかり特許を取れたということが、すばらしいですね。

 なお、この特許は、分割出願されたものです。分割出願の場合は、もとの出願(原出願)の課題の記載などをそのまま使うことがあり、このような場合には、課題と請求項の内容が対応していないことも多いです。読みにくいこともあります。

 この出願では、第1情報の数に関する内容は、第2実施例に書かれています。明細書を読む方はご参考に。