今回は、スマホなどで表示して利用する電子クーポンの不正利用防止のための発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、電子クーポンの画像をキャプチャしてあとで不正利用できてしまう問題があります。
この発明では、電子クーポンの画像をキャプチャしようとすると、電子クーポンを非表示または期限れとした画像がキャプチャされます。これにより、使用可能な電子クーポンが表示されなくなるので、電子クーポンの不正利用を禁止することができます。
電子クーポンの画像をキャプチャしてあとで不正利用できてしまう問題
オンラインショッピングサービスや実店舗で使える電子クーポンが利用されています。
実店舗でスマホなどの端末により支払いをする場合、店員がPOS端末に代金を入力し、端末がPOS端末と通信(近距離無線通信)することで行います。
電子クーポンを使用する場合には、POS端末が電子クーポンのバーコードを読み込む操作をするなどの方法があります。
このとき、電子クーポンの画像をキャプチャ(記憶)しておいて、その電子クーポンが無効になったあとで店員に提示することで、その電子クーポンの不正利用ができてしまうという問題があります。
電子クーポンを非表示または期限れとした画像がキャプチャされる
この発明のプログラム(アプリのプログラム)は、電子クーポンのキャプチャを利用した不正利用をできなくします。
具体的には、端末は、決済のための電子クーポンの画像と、決済機能を起動させるボタン(オブジェクト)の画像とを同一の画面に表示します。
この状態で、画像をキャプチャ(記憶)する操作がなされることがあります。
キャプチャの操作がなされた場合、端末は、この画像をそのまま記憶するのではなく、電子クーポンを非表示にした画像、または、電子クーポンを期限切れとした画像を記憶します。
このようにすることで、電子クーポンのキャプチャ画像をあとで表示させた場合に、使用可能な電子クーポンが表示されなくなるので、電子クーポンの不正利用を禁止することができます。
なお、この内容は、第2実施例に記載されています。
特許第6616481号 株式会社メルカリ
出願日:2018年11月12日 登録日:2019年11月15日
電子クーポンを適用した決済を容易に行えるようにする技術を提供する。
電子クーポンのキャプチャ画像が店舗の店員に提示されることにより不正に電子クーポンが利用されることを防止する。
【請求項1】
情報処理装置に、
OS(Operating System)の決済機能に、所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、店舗で使用可能な電子クーポンを使用不可に設定し、
前記OSの決済機能に、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンと、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理と、
前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを非表示とした画像を記憶させる、または、前記電子クーポンを期限切れとした画像を記憶させる処理と、を実行させるプログラム。
今日のみどころ
メルペイの電子クーポンに関する技術で、電子クーポンを表示させた画像をキャプチャしてとっておいて、あとで不正利用することを防止できる発明です。
スマホで支払処理をする技術が生まれたことによって、それを不正利用する技術も生まれてしまいます。新しい技術が生まれると、それを悪用する技術も生まれてしまうことが多いです。
そういうときに、悪用のほうを防止する技術をさらに開発していく。いたちごっことも言えますが、こうやって技術が進歩していくんですね。わかります。