【特許紹介】実用品を用いるゲームを、相手のプレイヤが近くにいない場合でも進行できるようにする特許発明(バンダイ)を紹介

 今回は、実物品を用いるゲームに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、実物品を使用するゲームは、相手のプレイヤが近くにいないとプレイできないという問題があります。

 本発明では、相手の端末のカメラが撮影した画像を表示してゲームを進行させます。これにより、プレイヤの利便性を向上することができます。



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実物品を使用するゲームは、相手のプレイヤが近くにいないとプレイできない

 実物品を提示して進行するゲームがあります。実物品は、具体的には、トレーディングカードゲームやボードゲームがあります。

 通常、このようなゲームをプレイする場合、実物品を相手のプレイヤに提示する必要があるので、プレイヤが同一の場所に集まる必要があります。

 プレイヤは、相手のプレイヤが近くにいないとゲームをプレイすることができず不便であるという問題があります。

相手の端末のカメラが撮影した画像を表示してゲームを進行

 この発明のゲーム支援システムは、プレイヤの利便性を向上することができます。

 各プレイヤが使用する端末(情報通信端末)は、ゲーム用実用品(具体的には、遊戯盤と遊戯盤上の載置物)を撮影するカメラ(取得部)をもっています。また、対戦相手の端末と通信接続をしてゲームを実現します。

 対戦ゲームは、複数のゲームのうちから選択されるゲームです。また、対戦ゲームには、準備段階とプレイ段階があります。

 準備段階には、端末は、カメラで撮影した画像を、ガイド表示とともに画面に表示します。

 プレイ段階には、端末は、上記画像に代えて、ゲームの相手である端末のカメラが撮影した画像を表示させます。

 このようにすることで、プレイヤが、相手のプレイヤが近くにいない場合でもネットワークを通じてゲーム用実用品(遊戯盤など)を相手のプレイヤに提示することができるので、ゲームをしんこうすることができるようになります。このようにして、ゲーム支援システムは、プレイヤの利便性を向上することができます。

 特許第7071454号 株式会社バンダイ
 出願日:2017年8月9日 登録日:2021年5月28日

【課題】
 プレイヤの利便性を向上させる。
【請求項1】
 プレイヤ間で実現される、ゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームの実行を支援するゲーム支援システムであって、
前記対戦ゲームには、複数種類のゲームが選択可能に含まれ、
 各プレイヤに対応付けられた情報通信端末であって、前記複数種類のゲームのうちの実行する1つの種類のゲームの選択を受け付ける選択手段と、該プレイヤについて提示されるゲーム用実物品である、遊戯盤及び該遊戯盤上に載置された載置物を撮像した撮像画像を取得する取得手段と、表示手段への情報表示を制御する表示制御手段と、情報通信手段と、を備える情報通信端末と、
 前記対戦ゲームに参加するプレイヤに対応付けられた複数の前記情報通信端末間の通信接続を実現する接続手段を備える接続装置と、
を含み、
前記対戦ゲームは、当該対戦ゲームについて設けられた、各プレイヤのゲーム用実物品の準備段階、及び該準備段階に後続し、該準備段階で準備されたゲーム用実物品を用いて前記対戦ゲームを実行するプレイ段階を含んで進行し、
 第2の前記情報通信端末との通信接続が実現された第1の前記情報通信端末の前記表示制御手段は、
  前記準備段階において、該第1の情報通信端末の前記取得手段により取得された前記撮像画像を、前記1つの種類のゲームについて予め定められたゲーム用実物品の設置に係るガイド表示とともに前記表示手段に表示させ、
  前記プレイ段階において、前記準備段階において表示させた前記撮像画像に代えて、前記第2の情報通信端末の前記取得手段により取得された前記撮像画像を前記表示手段に表示させるゲーム支援システム。

今日のみどころ

 実物品を使用して行うゲームを、相手のプレイヤが近くにいない(言い換えれば、相手のプレイヤが遠隔地にいる)場合でも進行することができるようにする発明です。

 実物品をカメラで撮影して相手の端末に表示させるというアイデアで、すごくシンプルですね。発明のポイントをしっかり見極めるのが大事です。