【特許紹介】靴を履いている人の歩数をスマホに表示して運動意欲を高める特許発明(バンダイ)

 今回は、歩数をスマホで表示する発明について、特許公報を読むのが趣味である私が紹介します\(^o^)/

 従来、センサを搭載した靴がありますが、運動する意欲を引き起こすことができない問題問題があります。

 この発明では、靴が計測した歩数をスマホで期間ごとに表示します。これにより、運動する意欲を引き起こします。



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運動する意欲を引き起こすことができない問題

 従来、センサを搭載している靴があります。着用している人が動いているときの加速度や、着用している人の脈拍をセンサによって測定します。

 そして、適度な運動量の上限が満たされたことが、LEDの点灯などによって報知されます。

 しかし、着用者が自発的に運動する意欲をひきおこすことができないという問題があります。

靴が計測した歩数をスマホで期間ごとに表示


 この発明は、靴と、スマホのような通信端末とで構成される運動量測定システムです。

 靴は、センサによって、3軸方向それぞれの運動の加速度を検出します。3軸方向というのは、例えば、直交するx軸、y軸、z軸のそれぞれの方向という意味です。

 また、靴は、センサの検出結果によって測定モードを選択し、測定結果をスマホに送信します。測定モードには、歩数を測定する測定モードがあります。測定結果の送信は、例えばBluetooth規格が想定されています。

 スマホは、靴から測定結果を受信します。そして、受信した測定結果に基づいて、歩数を測定するモードで測定された、期間ごとの歩数を表示します。これがゲームに連動されたりするアイデアもあります。

 このようにして、着用者が自発的に運動する意欲をひきおこすことができます。

 特許第6498332号 株式会社バンダイ
 出願日:2018年2月14日 登録日:2019年3月22日

【課題】
 着用者の運動意欲を惹起させる運動量測定システム、靴及びプログラムを提供する。
【請求項1】
 靴と、該靴を着用して行われた運動の測定結果に基づく表示を行う通信端末と、を有する運動量測定システムであって、
 一足の前記靴の少なくとも片方は、
  該靴に生じた運動を検出し、3軸方向の運動を検出して軸ごとの波形を出力する加速度センサと、
  歩数を測定するモードを含む、前記加速度センサによる運動の検出結果に基づいて各々所定の運動項目を測定する複数のモードのうちから、測定を行うモードを設定する設定手段と、
  前記加速度センサによる運動の検出結果に基づいて、前記設定手段により設定された前記測定を行うモードに対応する運動項目を測定する測定手段と、
  前記設定されているモードに応じて前記測定手段により測定された運動項目の測定結果を含む運動情報を記憶する記憶手段と、
  前記通信端末との情報送受信が可能に構成され、前記記憶手段に記憶された前記運動情報を前記通信端末に送信する第1の通信手段と、
を有し、
 前記通信端末は、
  前記靴との情報送受信が可能に構成され、前記靴から前記運動情報を受信する第2の通信手段と、
  前記第2の通信手段により受信された前記運動情報に基づき、運動項目の測定結果を表示する表示手段と、
を有し、
 前記加速度センサが検出する3軸は、前記靴の踵からつま先に向かう方向に対応する軸と、該方向に基づいて定まる2軸とで構成され、
 前記複数のモードの各々には、対応する運動項目について、前記検出された運動の波形のうちの1つの軸の波形に基づいて前記測定手段が運動項目の測定を行うことが定められており、
 前記測定手段は、前記歩数を測定するモードが設定されている場合に、所定の期間に測定した歩数を、期間を識別可能に前記運動情報に含めて前記記憶手段に記憶させ、
 前記表示手段は、前記第2の通信手段により受信された前記運動情報に基づき、期間ごとの歩数の情報を表示する運動量測定システム。

今日のみどころ

 靴についているセンサが計測した歩数をスマホで表示するというアイデアです。ポイントはシンプル。

 請求項1にけっこう細かくいろいろ書かれている印象がありますが、特許をとるのに有効にはたらいたのかどうか、気になるところです。