【本紹介】「特許出願 新・拒絶理由通知との対話 第2版」/中間処理に役立つ

【本紹介】「特許出願 新・拒絶理由通知との対話 第2版」/中間処理に役立つ

 特許の権利化のための処理(中間処理)に参考になる本「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」を、私は愛用しています。この本をおすすめする記事も過去に書いています。

 私は初版を愛用していたのですが、第2版も購入して差があるかどうか調べてみましたのでシェアします。

 私は、特許事務所で仕事をしていて、クライアントの特許の権利化のお手伝いをする仕事をしています。この本を参考にして権利化をねらって、実際に特許もたくさんとれています。

 この記事を読めば、「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」の初版と第2版の差がどれくらいかわかります。それを踏まえて、第2版を買いたい人はぜひ買いましょう。

 以下で詳細に説明します。



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」の初版を愛用/中間処理の参考に

稲葉 慶和 (著), 鈴木 伸夫 (著) エイバックズーム; 2版 (2014/3/7)

 書籍「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」は、特許の審査のときに審査官から送られてくる「拒絶理由通知」に対する上手な対応の仕方を解説した書籍です。

 元審査官が記載しているので、審査官目線で、意見書に書くべきこと、書くべきでないことがうまくまとめられています。

 私は、このたぐいの本の中で特に気に入って使っている本です。実際に特許事務所の業務で意見書を作成するときに、ちょくちょく参考にしています。

 特に、「その2 4 意見書のスタイルについて」の節の「スリム型の意見書」の書き方の解説が秀逸。

 この書き方に従って意見書を作成すれば、短時間で、労力を少なく、特許査定の可能性を上げられる意見書を作成できます。中間処理の仕事の効率を上げることにつながります。

 この節のためだけにこの本を買っても惜しくない!と思ってます。

「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」第2版

 いまでも「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」を頻繁に参照して仕事に役立てているのですが、先日、ツイッターで「第2版」がすでに出版されていることを教えていただきました。

 ご指摘ありがとうございました。

 調べたところ、2014年(平成26年)3月7日に第2版が出版されていました。

 特に不都合もなかったのでずっと初版を使っていました。さっそく購入して第2版の内容を確認しました。

「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」初版から第2版への補訂/比較

 初版から第2版へ、どの程度の変化があったか比較して調べました。

 ちなみに、刊頭の「補訂にあたって」のページに、補訂点について以下のように記載されています。

・・・できる限り本文に手を加えないようにし、補訂点は、固有名詞や法律、施行規則、基準・便覧の改正に伴う条文や字句の修正にとどめました。

 まず目次を確認し、ざっと目を通して比較してみましたが、特に違いに気づかない程度でした\(^o^)/

 私が特によく参照しているスリム型の意見書の周辺の記載もまったく変更はないようでした。

 仮にテキストデータになっていれば、差分をとって比較することもできそうなところですが、本なのでそうもいかない感じです。法律や施行規則の条文番号が新しくなっているのだと思われますが、それほど条文番号が書かれていないので気づけません。

初版をもっている人が第2版を購入する必要は

【本紹介】「特許出願 新・拒絶理由通知との対話 第2版」/中間処理に役立つ

 初版をもっている人が第2版を購入する必要はあるかという観点では、「特にないかも」と思います。理由は、上記の比較の通り、実質的な変更箇所があまりなさそうだからです。

 そもそも、中間処理に関しては、それほど条文番号が出てこないような気がするし、最近の法改正であまり改正されていないと思われるからです。

 私は、この書籍をとくに気に入っているので、なるべく新しいものを手元においておきたいという思いがあります。なので、第2版を買ったことについて、損だという気持ちはまったくありません。

 購入して並べて置いておいてもよいと思っていますし、一冊を事務所に、もう一冊を自宅においておくのもよいかと思っています。

 私のようにこの書籍を気に入っている人や、最新版をもっておかないと不安であるという人はぜひ買って本棚においておきましょう。

初版をもっていない人は ぜひ買いましょう!

 一方、初版をもっていない人は、ぜひ買いましょう。

 特許の権利化の業務をする人、具体的には、特許事務所の技術者、企業や大学の知財担当の業務をしている人に特におすすめです。

 元審査官の目線で意見書の書き方を説明している書籍はなかなかないです。審査官の側からみた、審査の突破の仕方を説明してくれているわけで、特許をとる側からすると貴重な情報源になりえます。

 上手な権利化(中間処理)をして、たくさん特許をとりましょう!

今日のみどころ

 「特許出願 新・拒絶理由通知との対話」第2版について、初版との実質的な差があまりなさそうとわかりました。

 初版を持っている人は、大事に初版を使い続けてもよいかも。新しい方がいい人は迷わず買いましょう。なお、amazonでは初版の中古も安く手に入るので、それを入手して様子を見るのもよいと思います。中間処理に役立てていきましょう。

稲葉 慶和 (著), 鈴木 伸夫 (著) エイバックズーム; 2版 (2014/3/7)