今回は、クレジットカードの利用促進に関する発明を紹介します。
クレジットカードの利用を促進することが必要とされています。
この発明では、利用者に2種類のクーポンを会員に送信します。これによって、クレジットカードの利用を促進することができます。
クレジットカードの利用を促進する必要性
クレジットカードの利用を促進するための策として、ポイントの付与、実店舗で利用可能なクーポンの提供、実店舗への送客サービスなどが行われています。
しかし、クーポンがどの会員にとっても同じであるなど、カード会員の属性情報に応じた付与のしくみがありませんでした。
そのため、加盟店にカード会員を送客してクレジットカードの利用を促進することが必要とされています。
2種類のクーポンを会員に送信してクレジットカードの利用を促進
この発明では、スマホなどのユーザ端末にクーポン(優待情報)を送信します。
送信されるクーポンには2種類あります。1つがカード会員の属性情報に応じて特定の会員だけに送信されるクーポン(第一優待情報)で、もう1つがすべてのカード会員に送信されるクーポン(第二優待情報)です。
そして、これら2つのクーポンがスマホに表示され、ユーザは、利用するクーポンを選択します。そして、クレジットカードを利用してカード決済の取引情報(オーソリ電文)が送信されると、選択されたクーポンに基づく優待が適用されます。
カード会員の属性情報というのは、例えば、加盟店がクーポンの配信を希望するユーザの属性情報で、年代、性別、カード種別(プラチナ、ゴールド、一般など)などに関する情報です。
これにより、2つのクーポンをカード会員に提供することができ、クレジットカードの利用を促進することができます。
特許第6297109号 三井住友カード株式会社
出願日:2016年8月24日 登録日:2018年3月2日
カード会員を加盟店に送客してクレジットカードの利用を促進するためのシステムを提供することを目的とする。
【請求項1】
クレジットカードの利用を促進するためのシステムであって、
加盟店に関連付けられたオリジナル優待情報に基づいて、カード会員端末に対して提示されることになる第1の優待情報および第2の優待情報を生成する手段であって、前記第1の優待情報は、前記加盟店によって指定されたカード会員の属性情報に少なくとも基づいて提示先が特定される情報であり、前記第2の優待情報は、全てのカード会員に対して提示される情報である、生成する手段と、
前記カード会員に関連付けられる前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報を読み出して、前記第1の優待情報が含まれているかどうか、および前記第2の優待情報が含まれているかどうかを判定する手段と、
前記第1の優待情報が含まれている場合、前記カード会員端末に動的に表示されることになる前記第1の優待情報を通信し、前記第2の優待情報が含まれている場合、前記カード会員端末に動的に表示されることになる前記第2の優待情報をさらに通信する手段と、
前記カード会員端末に対して提示された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報が選択されたことに応答して、選択された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報を、選択操作を行ったカード会員の情報に関連付けて記憶する手段と、
選択された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報に基づく前記加盟店におけるカード決済に関連付けられたオーソリ電文を受信したことに応答して、選択された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報に基づく優待データをカード会員に付与処理する手段と
を備えたシステム。
今日のみどころ
クレジットカードの利用を促進することを目的として、2種類のクーポンをユーザに表示する発明です。このようなビジネスモデル系の発明では、クーポンのことを優待情報とか特典情報と表現することがあります。他にも応用できます。
一般に請求項にたくさんのことを書くと権利範囲が狭くなります。この特許では、請求項1にけっこうたくさんのことが書かれているのですが、その割にはあまり特別なことが書かれていないような気がします。そういう意味では、大きな限定がなくて、権利範囲が広い特許になっているともいえるかも。
つかみどころのない、読み手にはむずかしい感じがしますが、これはこれで、特許としてはなかなか良いのかもしれません。こういうのもあります。