クレジットカードの利用履歴を利用して結婚相談所のマッチングをする特許発明(三井住友カード)を紹介

図4

 今回は、結婚相談所でのマッチングに関する特許発明を紹介します。

 従来、結婚相談所で男女のマッチングがうまくいかないという問題がありました。

 この発明では、マッチング希望者と対象者のクレジットカードの利用履歴の業種が適合するとマッチングします。これにより、マッチングの精度を向上させます。



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 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

結婚相談所で男女のマッチングがうまくいかない問題

 従来、独身の男女を対象として結婚や交際に導く結婚相談所があります。結婚相談所では、自身のプロフィールや、相手の条件などのデータを登録し、そのデータのマッチングをすることで適合する異性に関する情報を提供します。

 入力データの中には、年齢、身長などの客観的な情報と、趣味、嗜好性などの主観的な情報が含まれています。

 客観的な情報とちがい、主観的な情報は、入力した内容と実際の内容が相違することがあり、マッチングがうまくいかない場合があるという問題があります。

マッチング希望者と対象者のクレジットカードの利用履歴の業種が適合するとマッチング

図6

 この発明は、クレジットカードの利用履歴を用いて、マッチング希望者とマッチング対象者とのマッチングをします。

 具体的には、マッチング対象者のクレジットカードの利用履歴のなかの利用額の多い業種(例えば、旅行、飲食、携帯電話料金など)を特定します。同じように、マッチング希望者のクレジットカードの利用履歴のなかの利用額の多い業種を特定します。

 そして、両者の利用額の多い業種が適合する場合に、マッチングポイントを算出して相性を評価し、相性の良い順に対象者を並べ替えて画面に表示します。

クレジットカードの利用履歴の多い業種を細分化してマッチングポイントを算出

図7

 マッチングポイントというのは、クレジットカードの利用額の多い業種をさらに細分化して算出されるポイントです。

 例えば、旅行の業種では、国内又は国外、国、都道府県、市町村などに細分化して、異なるポイントを割り振っておいて、一致するとそのポイントを加算するという感じです。

 このようにして、クレジットカードの利用履歴を利用して、主観的な要素を排除して、マッチングの精度を向上させます。

 特許第6242457号 三井住友カード株式会社
 出願日:2016年10月12日 登録日:2017年11月17日

【課題】
異性間におけるマッチングにおいて、クレジットカードの利用履歴情報を用いることにより、入会希望者の主観的要素を相応に排除し、分析対象とするデータに客観性を担保させ、異性間におけるマッチングの精度を向上させる。
【請求項1】
 マッチング希望者とマッチング対象者の各々に関して、所定の期間内におけるクレジットカードの利用履歴情報を取得するカード利用履歴情報取得手段と、
 前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報とを照合し、前記マッチング対象者の各々に関して、前記マッチング希望者との相性を評価するマッチング処理手段と、
 前記マッチング希望者との相性の良い順序に従って、前記マッチング対象者を紹介対象者として選択する紹介対象者選択手段と
 を備え、
 前記マッチング処理手段は、
 前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報の各々から、1または複数の利用額の高い業種を抽出する業種抽出手段と、
 前記業種抽出手段により抽出された、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種とが適合するか否かを判定する業種マッチング手段と、
 前記業種マッチング手段により、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種との少なくとも1つが適合したことを前提に、前記適合した少なくとも1つの業種をそれぞれ細分化し、細分化された段階に応じてそれぞれ傾斜的に設定されるマッチングポイントから、前記マッチング希望者と前記マッチング対象者との相性を評価するマッチングポイント算出手段と
 を備えることを特徴とするマッチングシステム。

今日のみどころ

 結婚相談所のマッチングに関する発明で、クレジットカードの利用履歴をマッチングに利用します。お金の使い方が似ている人同士が、個人の趣味やお金のかけ方が似ていてうまくいくという考え方ですね。

 こういうのは、あまりハードウェアに結び付いていなくて情報の中身で勝負するタイプで、いわゆるビジネスモデル特許の良い例です。これと同じように情報が中身が新しいというような感じの技術(というかサービスなど)で特許をとろうとしている人は書き方を参考にしましょう。