いきなりステーキのステーキ提供システムの特許発明/立食形式で客の希望量の肉をカットして焼いて提供 ペッパーフードサービス

図1

 人気のステーキ専門店「いきなりステーキ」のステーキ提供システムの特許を紹介します。この特許は成立した後に異議申立によって取り消されています。その顛末も簡単に紹介します。

 従来、客が好みの量のステーキを思う存分食べることができないという問題がありました。

 この発明のシステムでは、立食形式で、客の希望量の肉をカットして焼いて提供します。これにより、客に好みの量のステーキを安価に提供することができます。



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客が好みの量のステーキを思う存分食べることができないという問題

 飲食店でステーキを提供する場合、場所代や人件費がかかるため、ステーキの提供価格が高額になります。

 また、提供されるステーキの量が100グラム、150グラム等というように定められており、客が自由に量を決めることができないものでした。

 このように、客が好みの量のステーキを思う存分食べることができないとい問題がありました。

立食形式で客の希望量の肉をカットして焼いて提供/いきなりステーキ

図2


図3

 この発明のステーキの提供システムでは、客を立食形式のテーブルに案内し、客からステーキの量を伺い、肉のブロックをカットし、ステーキを焼いて客のテーブルに運ぶ一連の流れを行います。

 また、客を案内したテーブル番号が記載された札、肉を計量する計量機、カットした肉につける印が用いられます。また、従属請求項では、熱した溶岩又は炭火、鉄皿、フォークとナイフ、ソースポットなども登場します。

 これにより、好みの量のステーキを安価に提供できるようになります。

 なお、明細書中に『伺ったステーキの量をカットする前に、予めお客様に「多少前後しますが宜しいでしょうか?」と必ずお聞きし』のように、接客マニュアルのような記載があり、読み物としておもしろいです。

 特許第5946491号 株式会社ペッパーフードサービス
 出願日:2014年6月4日 登録日:2016年6月10日

【課題】
お客様に、好みの量のステーキを、安価に提供する。
【請求項1】
 お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備えることを特徴とする、ステーキの提供システム。

異議申立により消滅

 この特許について異議申立がなされ、最終的に特許が取り消されました(異議2016-701090)。

 異議申立の審理では、請求項1が以下のように限定されました。下線の箇所が訂正箇所です。

 しかし、訂正後の請求項1について、「飲食店における店舗運営方法、つまり経済活動それ自体に向けられたもの」であると判断されました。また、「札」「計量機」「印し(シール)」の本来の利用形態が示されているのみであり、「札」などに技術的意義があるわけではないと判断されました。

 これらから、「発明」に該当しないという理由で特許が取り消しとなりました。

お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備え、上記計量機が計量した肉の量と上記札に記載されたテーブル番号を記載したシールを出力することと、上記印しが上記計量機が出力した肉の量とテーブル番号が記載されたシールであることを特徴とする、ステーキの提供システム。

今日のみどころ

 有名なステーキ専門店「いきなりステーキ」の特許です。内容はさておき、店舗の運営方法とか、接客マニュアル的な身近な内容を、特許明細書として仕上げた感じになっていて、読み物としておもしろいです。この特許はダメになってしまいましたが、「いきなりステーキ」のお店はどんどん成長してほしいと思います。

 特許の内容面では、結果的に発明に該当しないという理由で特許が取り消しになってしまいましたが、一度特許になったことを考えると、発明に該当するかどうかが微妙なラインだったともいえるかもしれません。たくさんの特許の中には、いたって普通のアイデアで特許をとれているのも多いからです。

 もし可能であれば、もっと技術的な効果が説明できるネタを明細書にたくさん記載しておけばよかったのかもしれません。例えば、「いきなりステーキ」に特有の機材とか、特有の道具とか、特有の情報処理とかです。少し無理があっても情報処理に結び付けるとうまくいく場合もあります。

 このような例から、どのようにしておけば取り消しを免れたかと考えるのも結構勉強になります。


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