LINEのメッセージ表示時の顔写真を後でメッセージと共に表示して特定しやすくする特許発明 LINE

図3

 今回はLINEのメッセージに関する発明を紹介します。

 従来、LINE(ライン)などの大量のSNSメッセージから所望のメッセージを特定するのが難しいという問題があります。

 この発明では、メッセージ表示時のユーザの顔写真をとっておいて、あとでメッセージと共に表示します。これにより、大量のSNSメッセージの中から所望のメッセージを特定しやすくすることができます。

 特許第6096341号 LINE株式会社
 出願日:2016年2月16日 登録日:2017年2月24日



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

LINEなどの大量のSNSメッセージから所望のメッセージを特定するのが難しい

 LINEなどのSNSサービスでは、大量のメッセージがやりとりされます。

 従来技術として、メッセージを作成するときの作成者の表情などをメッセージともに相手に送信し、そのメッセージを受信した端末がメッセージとともに送信者の表情を表示する技術があります。

 しかし、SNSサービスで他の人から受信した大量のメッセージの中から、ユーザが所望するメッセージを特定することが難しいという問題があります。

メッセージ表示時のユーザの顔写真をとっておいて、あとでメッセージと共に表示

図13

 この発明の端末は、SNSサービスのメッセージを受信して画面に表示したときのユーザの顔写真などを取得します。取得した顔写真は、表示したメッセージとともに保存しておきます。

 あとでメッセージを閲覧するときには、そのメッセージと顔写真とを対応付けて画面に表示します。一例として、LINスタンプのような位置に、自分の顔写真が表示される形になります。

 このようにすると、送受信されたメッセージが大量にある場合でも、メッセージが表示された時のユーザの顔写真とともにメッセージが表示されるので、ユーザは簡単に所望のメッセージを発見することができます。

 なお、顔写真の他に、ユーザがいる位置情報や、ユーザの心拍数を使うアイデアもあります。

【課題】
ユーザに、所望のメッセージ等のコンテンツを適切に抽出させる。
【請求項1】
 情報処理端末に、
 受信したコンテンツを、前記情報処理端末の画面に表示する第1のステップと、
 前記受信したコンテンツが表示されたことに応じて、前記情報処理端末のユーザの状態を取得する第2のステップと、
 前記受信したコンテンツと、取得された前記ユーザの状態を示す情報とを対応付ける第3のステップと、
 前記受信した複数のコンテンツが同時に、再び前記画面に表示される場合、前記複数のコンテンツの各々に対応付けられた前記ユーザの各状態に応じて、所定の表示領域に表示する前記ユーザの一の状態を決定し、前記画面に表示する第4のステップとを、実行させるプログラム。

今日のみどころ

 LINEの画面上に自分の顔写真がでてくることになるわけで、メッセージの特定には役立つかもしれませんが、まあ、あまり望まない(あまり見たくない、他人に見られたくない)結果にもなりそうですね。

 LINEに搭載可能な新技術として検討されたアイデアだと思われます。おそらくこういうアイデアがたくさんあって、そのうちの筋のいいものが、私たちが使えるように世に出てくるのです。ものづくりの側面が見えておもしろいです。

 LINEという身近なアプリ上での技術なのでイメージしやすく、とっつきやすいのが良いところです。明細書も読みやすく書かれています。