今回は、クレジットカードの支払いに関する特許を紹介します。
従来、クレジットカードの利用料の一部を他人が支払うことができないという問題がありました。
この発明では、所定の条件を満たすと、クレジットカードの利用料の一部を他人のカードに課金することができます。これにより、クレジットカードの利用料の一部を他人が支払うことができるようになります。
クレジットカードの利用料の一部を他人が支払うことができない問題
クレジットカードが普及しています。クレジットカードは、クレジットカードを利用して買い物をした後に、本人がその利用料を支払うのが原則です。
この場合、カード利用料の一部を、親などの援助者が支払うことができませんでした。また、分割して支払う場合でも、買い物をする本人と、援助者とが買い物の場にいないといけないという不便さがありました。援助される側も、おねだりしているようで気が引けるという問題がありました。
このように、カード利用料の一部の援助ができないという問題がありました。
条件を満たすと、クレジットカードの利用料の一部を他人のカードに課金
この発明のシステム(クレジットカード会社システム)では、親などの援助者がクレジットカードの利用料の一部または全部を支払うことができるようになります。
クレジットカードを利用して買い物をした場合に、カード識別情報などとともに、援助条件を受け付けます。援助条件というのは、例えば、期間、金額、店舗についての条件です。
そして、その買い物が援助条件を満たす場合には、その買い物でのクレジットカードの利用料の一部または全部を、援助者のクレジットカードに課金します。
このようにすることで、条件を満たす買い物の場合に、その買い物の代金の一部または全部を援助者が支払うようにすることができます。
援助するときのメッセージのやりとりを示す画面の例がおもしろい
明細書には、クレジットカードの決済処理の流れや援助者が援助を申し出るときのメッセージのやりとりの画面の例など、けっこう細かい内容まで書かれています。
図8では、子供がうまれた花子さんに、じいさんから援助するストーリで描かれています。
図9では、打ち上げの飲み会に部長が援助するストーリで描かれています。「ぶっ、部長、ありがとうございます!」というサプライズがあります(笑)
特許第6219486号 株式会社日本総合研究所
出願日:2016年11月30日(分割の原出願日:2013年2月27日)登録日:2017年10月6日
被援助者が自己のクレジットカードを利用して買い物をしようとする際に、援助者がその場にいなくとも、予め登録があった援助者からの援助を受けることができるクレジットカード援助支援システムを提供する。
【請求項1】
会員が自己のクレジットカードで買い物をする際の代金を別の会員が援助することを可能とするクレジットカード会社システムであって、
援助者となる会員の端末から、当該会員のカード識別番号と、被援助者となる会員のカード識別番号と、援助条件とを含む援助情報を受け付け、援助情報DBに格納する援助登録受付部と、
前記援助情報DBを参照して、前記被援助者の買い物が前記援助条件を満たすかどうかを判定する援助条件判定部と、
前記援助条件判定部が前記援助条件を満たすと判定した場合に、前記被援助者が自己のクレジットカードで購入する商品又はサービスの代金の一部又は全部を、前記援助者のクレジットカードに課金することを認証する認証部とを、
備えることを特徴とするクレジットカード会社システム。
今日のみどころ
この発明があると、クレジットカードの利用料の一部を他人が支払うことができるようになります。技術的にはそんなに難しいわけではないはずですが、これまでなかったのが驚きです。
お金のやりとりを情報処理的に表現している、ビジネスモデル特許の典型と言えると思います。書き方の参考になります。こういうので特許とれるとうれしいですね。