【解説】特許を検索する方法/J-PlatPatのかんたんなところだけ説明

【解説】特許を検索する方法/J-PlatPatのかんたんなところだけ説明

 新しい発明をしてしまった!このアイデアって特許とれないかな、と思っている人へ。

 技術開発や製品開発の仕事をしている人は仕事上で特許をとることにも慣れていると思います。プライベートでも新しいアイデアを思いついたときに特許をとれないか調べてみたいこともあるでしょう。主婦の発明で一攫千金という話題もたまに聞きます。

 そんなとき、世の中にある特許をキーワード検索する方法を紹介します。ここではかんたんな部分だけに絞って説明します。

 私は特許事務所でクライアントの特許出願の書類を作成する仕事をしています。特許をキーワード検索するのは簡単なのですが、ちょっと敷居が高い感じがしてコツがいるので、そのコツをシェアします。

 この記事を読めば、特許検索をしたことがない人も、グーグル検索と似た要領で特許をキーワード検索できるようになります。



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

日本の特許庁が提供しているJ-PlatPat(ジェイプラットパット)で特許検索

 J-PlatPat(ジェイプラットパット)というのは、特許庁が提供している、特許や商標などを検索できるサービスです。日本の公的な特許のデータベースといえばこれで、特許や商標に関する信頼できるデータベースだといえます。

 最近のインターネットのWebサイトはけっこう使い勝手がよいものが多いですよね。こういうのに影響を受けているせいか、J-PlatPatもかんたんに検索できることをアピールしています。

特許情報プラットフォームは、その略称J-Plat(ぷらっと)Pat(ぱっと)にも現れているように、ユーザーの方が「ぷらっと」寄って、情報を「ぱっと」見つけられるユーザーフレンドリーなサービスを提供します。

 ただ、残念ながら、なかなか難しい。使いやすさを意識して開発されているとのことなのですが、なかなかわかりにくくできています。

 グーグル検索のように、とにかくキーワードを入れて検索できればいいのですが、どこにキーワードを入力すればわからない。チェックボックスがたくさんあって、たくさんありすぎて、どこをどう設定すればよいのかもわからない。

 ぷらっと寄って情報をぱっと見つけられるレベルになるには、けっこう使い慣れることが必要でしょう。

 ということで、特許のキーワード検索と、特許番号での検索をするために操作を説明します。

J-PlatPatでのキーワード検索(テキスト検索)

 J-PlatPatでのキーワード検索をするには、J-PlatPatにアクセスします。メニューの「特許・実用新案」にカーソルをあわせます。

 メニューの「特許・実用新案」にカーソルをあわせると出てくる「2. 特許実用新案検索」を選択します。

 すると検索画面に移ります。すぐに下の方の「検索キーワード」のところへ移動します。

「検索キーワード」の「検索項目」の欄の1つ目で「請求の範囲」を選択します。その「請求の範囲」の右の「検索キーワード」の欄に検索キーワードを入力します。そして「検索」ボタンを操作します。ここでは、検索キーワードとして「無線通信」と入力しています。

 検索の結果が3000件を超える場合、検索条件を変更することを促されます。(3000件に収まった場合は、特許文献のリストのページに移ります。)

 その場合、「検索キーワード」の欄に半角スペースで区切って複数のキーワードを入力し、「検索方式」を「AND」に設定します。ここで入力したキーワードをすべて含む特許を検索するという意味になります。グーグル検索とおなじ要領でキーワードの検索結果の絞り込みをしていくことができます。ここでは、「有線」のキーワードを追加しています。

 検索結果が3000件を超える場合、さらに、キーワードを追加します。ここでは、「変換」のキーワードをさらに追加して3000件以内になりました。

 これまでの検索キーワード「無線通信 有線 変換」が(1)のところに記載されていて、その件数が「784件」と(2)のところに表示されています。そして3000件以内になっている場合、「一覧表示」ボタンが(3)のところに表示されます。

 そして「一覧表示」ボタンを操作すると、キーワードを含む特許の文献の一覧が表示されます。

 ここで特許番号がリンクになっているので、クリックするとその特許文献の内容を表示させることができます。これで目的の特許文献にたどり着くことができました。

 特許文献のページでは、書類の中のどの部分を表示させるかを切り替えるリンク(「全項目」、「書誌」、「要約」、「請求の範囲」、「詳細な説明」、「図面」)があります。あと、この特許文献の公報のPDFファイルを表示してダウンロードできるボタンや、審査に関する書類を表示させるボタンなどがあります。

 ここまでで、特許のキーワード検索ができたことになります。

J-PlatPatで登録されている特許だけに絞り込む方法

 上記の方法では、まだ登録されていない特許出願と、登録された特許との両方が検索対象になっています。検索結果を登録された特許だけに絞り込むには、検索画面の上の方の「登録日ありで絞り込み」を使います。

 「登録日ありで絞り込み」を「はい」にすると、検索対象を登録された特許だけに絞り込むことができます。

J-PlatPatで特許番号で検索

 J-PlatPatでは、特許の公開番号(特開0000-000000)、登録番号(特許0000-000000)が分かる場合に、その特許公報を入手する方法を簡単に紹介します。

 J-PlatPatの「特許・実用新案」メニューの「特許・実用新案番号照会」を選択します。

 特許の公開番号が分かっている場合には、「公開・公表特許公報(A)」の欄の右側に公開番号「特開0000-000000」を入力して「紹介」ボタンを操作します。特許の登録番号が分かっている場合には、「特許公報・広告特許公報(B)」の欄の右側に登録番号「特許0000-000000」を入力して「照会」ボタンを操作します。

 番号が正しければ、その番号にヒットした文献が表示されます。

特許の検索をすると一歩前進できます

 検索がうまくいけば、あなたが思いついたアイデアが既に特許になっているかどうかの判断に役立ちます。

 もしまったく同じアイデアがあれば、もっとアイデアを練る必要があると判断できます。特許出願してもお金の無駄になってしまう可能性が高いからです。

 まったく同じアイデアがない場合は、特許をとるためのアクションをとることができます。会社で特許のための手続きを始める、個人で特許事務所に相談する、などがあります。

 少し違うけど、特許がとれるかどうか微妙という場合は、かかる費用を検討して、出願するかどうか判断しましょう。費用については、以下の記事にまとめているので参考にしてください。

今日のみどころ

 これで特許のキーワード検索ができます。キーワード検索自体は、グーグルなどと同じような感じで進めることができると思います。

 これで特許の世界に一歩踏み入れることができますね。