【ご提案】知財の教育に特許の文献を活用するアイデア/新しい特許を毎週読んで勉強する方法

 特許などの知財のことを知らない人に、知財の教育をしないといけない。どうやったら上手に教えられるんだろう。(自分もそんなによく知らないから余計こまる。)

 企業や大学の知財部、特許事務所や知財系の仕事で新人さんの教育を担当する人向けに、特許の文献をうまく使って知財の教育に役立てる方法を提案します。

 私は、特許事務所で特許技術者として働きつつ、特許の文献を読んで特許の大事なポイントを本サイト「通信特許マニア」で紹介するということをずっと続けてきています。特許のポイントを短時間でつかむことができるようになりました。

 本サイト「通信特許マニア」をうまく利用しつつ、知財の教育をするやり方を提案します。よいと思ったらやってみてください。

知財の教育に特許の文献を活用するためには、まず知財の教育が必要

 特許や商標などの知財(知的財産)の権利を使って、国内だけでなく、外国でも製品や商標を守る必要があります。

 世界レベルでビジネスが進むようになっているので、外国でもしっかり製品やサービスを守って、企業が利益を出していく必要があります。日本とはまったく異なる文化でビジネスをしている国もたくさんあります。競合の会社の製品と同じ製品を作ったり、下請け会社が勝手に製品を販売しだしたり。。

 日本と同じ文化だと思いこんでビジネスをしていると利益を失ってしまいます。

 特許は、技術的なアイデアを守る、つまり、マネされないようにしたり、ライセンス料を払わせたりするのに使います。商標は、製品やサービスに使用するマークを守るのに使います。

 企では、利益を守るために、知財の権利を作って管理していることが多いです。多くの企業では、新入社員教育の一環として特許や商標などの知財の教育もあると思います。

 最近では、小中学校でも、知財についての教育があるようです。

でも知財の教育って難しくて、教えるのも大変

 でも知財の教育ってなんかよくわからない感じですよね。難しいことばっかりで。

 一例ですが、学校や会社での知財の教育って、こんなことが行われていると思います。

  • 法律(特許法や商標法)のうちのわかりやすい部分を、わかりやすい言葉に置き換えて解説する。
  • 特許のアイデアをまとめるときには、問題、課題、解決というストーリーにまとめることを解説。受講者にストーリーをまとめる課題をさせる。
  • 明細書や請求項の書き方を解説する。
  • 有名な製品の特許を紹介する。有名人の特許を紹介する

 私が新入社員のときに受けた教育がこんな感じでして、最近知り合いから聞いた話でもそれほど変わっていない感じ。それ以上やりようがないので、仕方がないかも。

特許難しいっていう雰囲気が続いていくから?

 どうしてそうなるのかなと掘り下げて考えてみると、教えるほうにとっても知財って難しくてよく分からないからかなじゃないかなと思います。

 法律自体も難しいし、特許の書面も難しい。具体的な特許を知らないから、つかみどころがなくてよくわからない。

 教える側の社員もあまり詳しくないから、会社で代々受け継がれている資料をそのまま使って新入社員教育をしている。

 他の仕事に忙しくて、知財に時間を使うことができない。そもそも、教える側の社員も特許の勉強をする時間がない。

 このような感じになってしまっていると、教わる方もおもしろくない。そして、教える側になったときにも、過去にちゃんと教わっていないから教えることができない。

 こんな感じで、特許難しいっていう雰囲気がどんどん続いていく。それが現状ではないかと思います。

特許って技術アイデアなので、技術者にとってはおもしろいはず


 でも特許って技術アイデアなので、本来、技術者にとってはおもしろいはずのものです。

 一見、とっつきにくいので、付き合いにくいと思うかもしれませんが、ひとつひとつの特許はそんなに複雑ではないことが多いです。

 特許の書面には、文字がびっしりで、これがとっつきにくい原因になっていますが、実は、押さえるべきところはそんなに多くないです。弁理士や特許技術者が作成したものは、正確に読み取れるように書かれています(書かれていることが多いです)。

 特許は、年間約20万件も登録されているので、うまく利用すれば、これほどよい勉強ツールはないと思います。無料ですし。

 しかも実際の特許を見て実感がわけば、特許に関する法律の理解も進むと思います。

本サイト「通信特許マニア」を利用しよう!

 そんなとき、実際の特許の書面を使って技術の勉強をしていくのがおすすめです。

 上記の通り、特許の書面を読みにくいと思うなら、本サイト「通信特許マニア」を利用するのがおすすめです。

 本サイト「通信特許マニア」は、実際に登録された特許のうちから私が適当な特許を選んで、実際に読んで、かみ砕いてシンプルに解説しています。なので、実際の特許の文献(特許公報)を読むよりずっと楽に、特許の内容をざっくりとつかむことができます。

 技術分野は、通信技術に関するものが多くなっています。最近のITに関する技術は通信が関係するものが多いので、けっこう広くカバーできていると思います。

 いま特許として登録されている技術は、3~4年前から現在までに検討されたアイデアがまとめられたものです。そんなに遠い過去の技術ではないし、身近なものも多いです(*1)。

 *1:例えば、スマホに関する特許、ゲームに関する特許とかも多いし、地震などの災害に備えるアイデアもあります。

 次に本サイト「通信特許マニア」を教育に利用するメリットを3点紹介します。よいと思ったら実際に使ってみてください。

  • 教えるほうも教わるほうも実感があっておもしろい
  • 適度な特許をえらぶ必要がない
  • シンプル、わかりやすい言葉、短くまとめ

教えるほうも教わるほうも実感があっておもしろい

 知財の教育の資料には、架空の技術を例として特許の書面の説明をしていることもあると思います。

 でも、本サイト「通信特許マニア」には、架空の技術ではなく、実際に成立した特許の文献の解説があります。教えるほうも教わるほうも実感があっておもしろい。

適度な特許をえらぶ必要がない

 特許公報から勉強するのがよいとはいっても、年間20万件登録される特許から適当なものを選ぶのは大変です。正直、とても読みにくい特許文献もたくさんあります。勉強に使うのであれば、ほどほどの難しさのものにしておかないといけない。

 でもそれを選ぶのって大変ですよね。

 本サイト「通信特許マニア」に掲載されている特許は、私が実際に読んだものなので、極度に難しいものはないです。ほどほどの難易度です。

 また、タグによってジャンル分けしてあるので、特に勉強したい分野がある人は、タグで選ぶことができます。

シンプル、わかりやすい言葉、短くまとめ

 本サイト「通信特許マニア」の記事は、実際に私が読んで、特許のポイントをシンプルにまとめたものです。そして、特許で使う難解な言葉ではなく、日常的に使うわかりやすい言葉で解説されています。

 あと、特許の書面がいくら長くても、本サイトの記事は、そんなに長くなりません。押さえるべきポイントは、いつもそんなに多くないからです。

 請求項の部分をのぞけば2~3分でよめる短さにまとめられています。請求項の部分は、参考程度なので、よまなくてもいいです。

本サイトの利用例(1人で勉強する人向け)

 次に実際にどうやって利用できるか、具体的に説明します。1人で勉強する人も、複数人で勉強する人も活用できます。社員教育などで、複数人に教育する場合にももちろん使えます。

 1人で勉強する人は、「通信特許マニア」の特許の紹介記事の一覧をざっとみて、適当な記事をえらんでください。

 そして、最初は記事の中身をあまり見ないようにしつつ、「特許公報の全文へ」というリンクをクリック。ここで、特許公報の内容を確認できるので、その特許公報を読んで、その特許のポイントはどこなのか、考えてみてください。

 ポイントというのは、この特許で一番の特徴部分という意味です。究極に絞り込むと、1行(50文字くらい)で表現できるのではないかと思います。

 最初は、1時間~数時間かかってしまうかもしれませんが、どこに何が書かれているかも考えながら読んでみましょう。

 自分なりに、特許のポイントはここだということがわかったら、「通信特許マニア」の記事を読んでみましょう。そして、自分の考えとあっているか、違うか、違う場合にはどのように違うか、考えてみてください。

 「通信特許マニア」の記事が常に正解というわけではないので、違ったから悪いということはありません。でも、どのように違うか、考えるトレーニングになると思います。

 そして、慣れてきたら、より短い時間でできるように制限時間(1時間、30分など)を決めたりしてトレーニングしましょう。毎週新しい特許の解説がでてくるので、毎週勉強できますよ。

本サイトの利用例(複数人で勉強する人向け、複数人に教育する人向け)

 複数人で勉強する人は、勉強会のような形式をとるのもおすすめです。

 複数人に教育する立場にいる人は、勉強会のような形式をとりつつ「通信特許マニア」を利用することによって自身の仕事を減らすことができると思います。

 複数人のうちのリーダ(または教育する側の人)が、「通信特許マニア」の特許の紹介記事の一覧をざっとみて、適当な記事をえらんで、特許の番号を確認します。「特許第ooooooo号」という番号です。複数人に伝えます。

 そして、次回までにこの番号の特許のポイントを把握してまとめてくるように、指示をします。特許公報を見つけるところから、やってもらいましょう。

 特許公報を見つける作業が大変なら、特許公報へのリンクを教えたり、特許公報を印刷して渡すなどしてもよいと思います。難易度が下がります。

 そして、次回の集まりでは、勉強会のような形式で、特許のポイントについてみんなでディスカッションするなり、意見交換をします。

 最後に、「通信特許マニア」の記事を見て、自身が勉強した結果と比較します。そして、自分の考えとあっているか、違うか、違う場合にはどのように違うか、考えてみましょう。

 このようにすると、他の人の意見を参考にしながら勉強することができます。複数人に教育する立場にいる人は、特許の内容にそれほど踏み込むことなく、複数人に勉強させることができるメリットがあります。

今日のみどころ

 知財の教育に特許の文献を活用するアイデアを紹介しました。知財の勉強を継続していけば、教育の成果も出てくると思います。

 なお、特許の手続については、以下のような本にだいたい書いてあるので、ざっと読んでおくのをおすすめします。