【コラム】誤字脱字を繰り返さないように対策できるチェックツール/失敗1つ1つを成功につなげる

【コラム】誤字脱字を繰り返さないように対策できるチェックツール/失敗1つ1つを成功につなげる

 私は特許事務所でクライアントの特許のアイデアを文章化して書面を作成する仕事をしています。

 仕事がら誤字脱字は禁物。そこで私は、テキストエディタを利用した誤字脱字チェックツールを自作して、誤字脱字を少しでも減らす工夫をしています。

 このツールを使えば、一度した誤字脱字を繰り返さないようにすることができます。誤字脱字という失敗の1つ1つを未来の成功につなげていくことができます。少し設定すればだれでもできますのでやってみてください。

 いつでも一定の品質を保つことができるようになるので、仕事の評価があがり、仕事上での精神的な安心感を得ることができるというメリットもあります。

 以下で詳しく説明します。



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

誤字脱字を繰り返さないためのチェックツール=失敗を成功につなげる

 文章に含まれる誤字脱字を人の目で見つけるのは、なかなか難しいことです。そして、文章の量が多くなればなるほど、全体を集中して見て誤字脱字をみつけるのが大変になっていきます。

 読みやすい文章ならまだしも、特許の書面のように、たくさんの漢字が使われていたり、一文が長かったり、似たような文章が続いていたりすると、チェックがより一層大変です。。

 最初はうまく進んでも、読み進めていくうちに途中で集中力が切れてしまいます。体調が悪いとき、周りの音などの環境が自分の集中の妨げになるときは、特に集中力が途切れやすい。

 でも、体調がどうであっても、周りの環境がどうであっても、プロとしては一定の品質を保った文章をクライアントに提供すべきところです。

 この一定の品質を保つということをどのように実現するかが悩ましいところ。

機械の目で、過去の失敗を見つける

 一定の品質を保つ、このような作業は人間より機械が得意とすることです。そこで、過去の失敗のパターンを機械に覚えさせれば、新しい文章のチェックに使えます。

 つまり、人が作った新たな文章に、過去にした誤字脱字と同じパターンの誤字脱字が含まれていないかをチェックさせるのが良い方法です。

 その機械をどのように作るかが問題です。

 市販の誤字脱字チェックツールを使えば、ありがちなものはチェックできると思いますが、自分がよくやってしまう誤字脱字のチェックをさせることができるかが問題です。

 市販のツールを自分の手でカスタマイズできるといちばんよいですが、ソフトウェアの開発の知識や環境が必要になることもあります。

過去の失敗をルール化、蓄積

 ある程度一般的な方法で誤字脱字のパターンを記述することが求められます。

 そこで、私は、コンピュータで文字列の検索などに使われる「正規表現」を、誤字脱字チェックに利用することに思い至りました。

 正規表現は、PHPやperlなどのプログラム言語で使われるほか、テキストエディタの検索機能でも使われるもので、ある程度一般的なものです。

 そこで、過去にした誤字脱字にマッチする正規表現をたくさん作って準備しておいて、新しい文章のチェックのときにその正規表現にマッチした個所の表示を変更して、人の目で見やすくなるように表示する。

 このようにすれば、少なくとも過去にした誤字脱字を繰り返してしまうという失敗を防ぐことができます。私はテキストエディタの秀丸エディタの強調表示機能を使って誤字脱字チェックツールを作って利用しています。詳しくは以下のページを見てください。

誤字脱字をしてからルールを追加するまでの流れの例1

 ここで、実際に私が作成した文書に含まれていた誤記を例として、正規表現のルールを追加するまでの流れを説明します。

 例えば、このような誤字脱字をしてしまったとします。「る」と記述すべきところを「ろ」と記述して地待った例です。「る」と「ろ」の形が似ているので、目視で見つけにくいタイプの誤記です。

 実数をとことがある     ※正しくは「実数をとことがある」とすべきところ。

 この誤字脱字にマッチする正規表現を考えます。その誤字脱字のパターンそのものを正規表現とするのがもっとも手っ取り早いやり方です。

273,実数をとろ

 こうしておけば、文章に「実数をとろ」が含まれていれば、誤字脱字のチェックのときに「実数をとろ」の部分が色付きで強調表示されます。

 さらに余力があれば、少し違うパターンもマッチできるように工夫をいれます。また、このパターンに該当するけれどもさらに特定の条件を満たす場合は、マッチしないというルールを記述することもできます。

 例えば、この例では、「実数を」となっていますが、「実数」に限らず「複素数」にも該当するのであれば、「実数を」を省く方がよいです。そして「とろ」だけにすると今度は、「とろ火」、「○○とろ過」という言葉がマッチしてしまうので、それらを除外する必要がありま。

 これらを考慮すると以下のような正規表現を記述すればよいということになります。記号「(?!過|火)」の部分は、正規表現の「前方一致」というもので、考え方が少し難しいですが、検索の柔軟性を広げてくれる強力な機能です。

273,とろ(?!過|火)

誤字脱字をしてからルールを追加するまでの流れの例2

 もう1つ例を挙げます。このような誤字脱字をしてしまったとします。「を」の"wo"を入力しようとして"eo"となってしまったせいでこのような誤字脱字になったと思われます。

データえお他の端末に     ※正しくは「データ他の端末に」とすべきところ。

 この場合、「えお」にマッチする正規表現を記述するのが簡単なやり方です。

273,えお

 そして、「えお」だけだと、「○○えおよび○○」というような言葉がマッチしてしまうので、これを除外する正規表現を作ると以下のようになります。

273,えお(?!よび)

 このようにして、誤字脱字を見つけるたびに、そのルールを追加して蓄積していきます。ルールをまとめたファイルは、誤字脱字ルールがたっぷりたまった財産になります。

機械の目で一定の品質を保つ、人は文章内容チェックに集中できるメリット

 このようなルールを使ってチェックすれば、長い文章でも一瞬にして、正規表現にマッチする部分を色付き表示させることができます。

 人間は、色がついたところだけをチェックすればよいので、短時間でたくさんの誤字脱字を見つけることができるようになります。

 そうすると、人は、文章の内容そのものの間違いのチェックに時間を割り当てることができるのも大きなメリットです。

精神的な安定を得られるメリット

 そして、精神的な安定を得られるというのも大きなメリットです。

 誤字脱字にも軽いものと重いものがあって、誰にでも疑似脱字とわかるものなら大きな問題にはならないことが多いです。でも、文章の意味が変わってしまうような誤字脱字はまずいです。クライアントからの信頼を失ったり、事務所内での評価が下がったりしてしまう。

 そう思うと、仕事としてのリスクがとても高いと感じるようになります。適度な緊張感は必要ですが、誤字脱字を少しでもしたら命とり、と思いながら戦々恐々として仕事をするのも落ち着きません。

 上記のツールを使うと、機械の目を利用して一定の品質を保つことができます。体調が悪くても、周りがうるさくても、最低限の品質を担保できているという精神的な安心感を得ることができます。

 これもお勧めする理由の一つです。

今日のみどころ

 過去にした失敗は自分の経験になり、財産になります。過去の経験をこれからの仕事に生かせるのがこのツールです。

 一度しくみを作ってしまえば、その後は、チェックルールを必要なときだけ追加すればいいのでらくちんです。みなさんもぜひ作ってみてください。