ペットの迷子犬の受け渡しを支援する2次元コード付きペンダントの特許発明 システムジャパン

図1

 従来、迷子犬の受け渡しの際にプライバシーが保護されないという問題がありました。

 この発明では、管理センターの連絡先を記載した2次元コード付きペンダントによって、プライバシーを保護しながら迷子犬の受け渡しを支援することで、上記問題を解決します。

 特許第6216920号 株式会社システムジャパン
 出願日:2012年12月26日 登録日:2017年10月6日



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

迷子犬の受け渡しの際にプライバシーが保護されない

 犬などの愛玩動物、いわゆるペットの捜索に関する発明です。犬が迷子になったとき、迷子犬の現在の所在地を把握することが必要です。

 従来、ペットの首輪にQRコード(二次元バーコード)が記載された迷子札を付けておき、犬が迷子になったときには、動物病院の担当者を介して、迷子犬を保護した人と飼い主との間で迷子犬の受け渡しができるシステムがありました。

 しかし、迷子犬を保護した人と飼い主とが、プライバシーを保護された状態で連絡を取り合うことができないという問題がありました。

管理センターの連絡先を記載した2次元コード付きペンダント

図6

 この発明の情報管理システムでは、二次元情報コード付きのICタグを搭載したペンダントを使います。

 このペンダントの二次元情報コードには、犬の特定情報や、管理センターの連絡先などの情報が含まれています。また、表面には、保護した人へのメッセージとして「QRコードを読み取って送信して」とのメッセージが記載されています。

 このペンダントをつけた犬が迷子になり、その後に保護されると、保護した人(通報者)は、携帯電話などでメッセージに従ってQRコードを読み取って管理センターに通報します。このとき、犬の特定情報なども管理センターに送られます。管理センターでは、通報者から送られてきた情報に基づいて飼い主の情報を検索し、通報者と飼い主との直接の会話をできるようにします。

 このようにして、通報者と飼い主との間に第三者を介入させることなく、また、通報者に飼い主の連絡先を知られることなく、迷子犬の受け渡しなどのやりとりをすることができます。

 なお、ペンダントのICタグの機能を用いて、狂犬病予防のための登録などの処理もできるようになっています。

【課題】
迷子となった愛玩動物である犬についての飼い主のプライバシーを守った状態での通報者の支援による迷子犬捜索処理を簡略容易に実現し得る二次元情報コード付きのICタグを利用した愛玩動物に関する情報管理システムを提供する。
【請求項1】
 予め多数の愛玩動物の個々の特定情報、飼い主情報を含む登録情報を記憶保持し、愛玩動物探索のためのWEBサイトを開設した管理センターコンピュータ装置と、
 迷子愛玩動物が保持している当該迷子愛玩動物の特定情報、管理センターコンピュータ装置の連絡先情報を含む二次元情報コード付きのICタグを搭載したペンダントから、前記迷子愛玩動物の特定情報を読み取り送信する通報者の通報者通信端末と、
 前記迷子愛玩動物の飼い主が所持する飼い主通信端末と、
 前記管理センターコンピュータ装置、通報者通信端末、飼い主通信端末間の情報交信を行う通信網と、
 を含み、
 前記通報者通信端末によって読み取られた前記迷子愛玩動物の特定情報を、前記通信網を介して受信した管理センターコンピュータ装置において当該迷子愛玩動物の飼い主を抽出するとともに、通報者通信端末へ連絡先入力画面を送信し、通報者通信端末入力による連絡先情報を取得して、通報者の連絡先情報を、前記通信網を介して前記特定情報に対応する迷子愛玩動物の飼い主の飼い主通信端末へ送信し、前記通報者通信端末と、飼い主通信端末との前記通信網を介した直接交信を実行させる二次元情報コード付きのICタグを利用した愛玩動物に関する情報管理システムであって、
 前記ペンダントは、外装体内に、二次元情報コードの読み取り案内文字付のプリントシート、当該迷子愛玩動物の特定情報、管理センターコンピュータ装置の連絡先情報を含む二次元情報コード付きのICタグを積層配置に内蔵し、防水仕様としたこと、
 を特徴とする二次元情報コード付きのICタグを利用した愛玩動物に関する情報管理システム。

今日のみどころ

 ペットの犬が迷子になると心配ですよね。QRコードやICタグを利用して素早く情報のやりとりをおこなって飼い主を安心させることができる、とても有用な発明だと思います。

 プライバシーが保護されるメリットがあると指摘されていますが、さらに、第三者が介入せずにダイレクトに連絡がとれることから、時間や場所の制約が比較的少ないのもメリットとなると思います。

 あまり技術的にごてごてした内容ではないので、とても読みやすい明細書です。