携帯デバイスを身体のどこに携帯しているか判定して制御できる特許発明 東京農工大学



図2

 従来、ユーザの携帯デバイスをユーザが身体のどこに携帯しているか、歩行中でないときにはわからないという問題がありました。

 この発明では、慣性センサのデータのばらつきから、携帯デバイスがユーザの手中にある否かを判定します。これにより、携帯場所を把握し続けることができます。携帯電話や、熱中症やインフルエンザの防止のための警告計への適用例があります。

 特許第6083799号 国立大学法人東京農工大学
 出願日:2013年3月1日 登録日:2017年2月3日



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ユーザが歩行中でないときには携帯場所がわからない問題

 最近いろいろな電子機器を身に着けるようになってきています。スマホや携帯電話の他にも、消費カロリー計、歩数計、熱中症警告計などがあります。
 
 これらの携帯デバイスは、それぞれ、人に携帯される方法や場所が異なります。例えば、熱中症警告計は、外気に触れるように首からストラップなどで提げることが想定されます。また、携帯電話は、携帯される場所によって呼び出しの音量を変えたり、振動を出すように変更したりするように、携帯場所によって動作を変える方が適切である場合があります。

 従来の携帯デバイスでは、加速度センサやジャイロセンサなどの慣性センサでユーザが歩行中であることを検出した場合に、その携帯場所を検出する技術がありました。しかしこの技術では、歩行中でないときには携帯場所を検出できないという問題がありました。

センサのデータのばらつきから、携帯デバイスが手中にあるか判定

図7


図8

 この発明の携帯デバイスは、加速度センサやジャイロセンサなどの慣性センサからデータを取得して、そのデータのばらつきの大きさを求めます。そして、そのデータのばらつきの大きさから、ユーザが携帯場所を変更するジェスチャをしたかどうかを判定します。

 この判定の中で、特に、携帯場所がユーザの手中か否かを判定するのがポイントになっています。

 ユーザが携帯デバイスを胸ポケットからズボンのポケットへと移すように、携帯デバイスの携帯場所を変えるときには、携帯デバイスを手でもって次の携帯場所まで移動させます。なるので、ユーザの手中か否かを判定することで、携帯場所の判定精度を高めることができる効果があります。

 また、この発明によって、携帯場所を切れ目なく把握し続けることができます。適用例として、携帯電話の出力音量を適切に調整したり、振動で通知するようにしたりする例や、熱中症やインフルエンザの防止のための警告計に適用する例が明細書に記載されています。

【課題】
携帯デバイスの携帯場所を歩行中のみならず静止時であっても切れ目なく把握し続けることが可能な携帯場所判定方法を提供する。
【請求項1】
 携帯デバイスの携帯者の身体上における前記携帯デバイスの携帯場所を判定する方法であって、
 前記携帯デバイスに備えられている慣性センサから継続してデータを取得するデータ取得ステップと、
 前記データ取得ステップで取得したデータの少なくとも一部を判定対象データとして抽出する判定対象データ抽出ステップと、
 前記判定対象データに含まれるデータのばらつきの大きさを求め、当該ばらつきの大きさに基づいて、当該判定対象データの中に、前記携帯者による前記携帯デバイスの携帯場所を変更する複数のジェスチャのいずれかに対応するジェスチャパターンが存在するか否かを判定するジェスチャ判定ステップと、
 前記ジェスチャ判定ステップでの判定結果に基づいて、前記携帯デバイスの携帯場所を判定する携帯場所判定ステップと、を含み、
 前記携帯場所判定ステップは、
 前記ジェスチャ判定ステップで前記ジェスチャパターンが存在すると判定した場合、前記携帯デバイスの携帯場所の前回の判定結果に基づいて前記携帯デバイスの現在の携帯場所が手中であるか否かを判定する第1の携帯場所判定ステップを含む、携帯デバイスの携帯場所判定方法。

今日のみどころ

 携帯デバイスの携帯場所を特定するという課題を解決する発明です。私はあまり考えたことのない課題でしたが、おもしろいと思います。むしろ今まで考えたことのない新しい着眼点を持つことができるので、勉強になります。

 また、明細書内に携帯電話や、熱中症やインフルエンザ防止のための警告計というような適用例がしっかり記載されているので、読み手に優しい明細書だと思いました。