ユーザがいる周囲の建物の被災状況をユーザのスマホに提示する特許発明 ミサワホーム

図26


 従来の地震表示計では、その建物の被災状況がわかるだけであり、周辺の建物の被災状況がわかないという問題がありました。

 この発明では、複数の建物の被災度ランクに基づいて避難先候補を絞り込んでユーザのスマホなどに提示します。これにより、ユーザは、周辺の建物の被災状況を知ることができ、避難などの行動をとることができます。

 特許第6243077号 ミサワホーム株式会社
 出願日:2017年6月26日(分割の原出願日2014年9月25日) 登録日:2017年11月17日

 

周辺の建物の被災状況がわかない問題

 従来、住宅に取り付けらた地震計を用いて地震に関する情報を表示する地震表示計があります。

 地震表示計は、地震計によって地震のときの揺れの加速度を計測し、この加速度に基づいて、ユーザの行動指針などを表示します。ユーザは、表示された行動指針などを見て、避難をするなどの行動をとることができます。

 しかし、従来の地震表示計では、その建物の状況に基づいて行動指針が得られるだけであり、その建物の周囲の被災状況を確認することができませんでした。例えば、避難先の避難所の被災状況が分からないので、避難するのがよいかどうかの判断をすることができないという問題がありました。

複数の建物の被災度ランクに基づいて避難先候補を絞り込む

図27

 この発明では、複数の建物に加速度センサが取り付けられており、複数の加速度センサから得られた情報により、避難先の候補の建物の絞り込みをします。

 具体的には、複数の建物が通信ネットワークによって接続されており、その通信ネットワークを通じて地震の揺れを示す情報である被災度ランクが中央情報処理センター(センターサーバ)に通知されます。被災度ランクは、建物に取り付けられた加速度センサで計測された加速度から求められる変形角から得られます。

 中央情報処理センターに送られる情報には、気象庁が提供する緊急地震速報の情報も含めらます。

 中央情報処理センターでは、各建物の被災度ランクを集めます。また、ユーザのスマホなどの移動端末の位置情報を取得します。そして、避難先の候補となる建物のうちからユーザがいる位置の周辺の建物を絞り込んで、ユーザの移動端末に送信します。

 これにより、ユーザは、自分のスマホなどによって、避難できる建物を知ることができます。

 また、被災度ランクだけでなく、地震の揺れを示す情報から定められる行動指針コメントをユーザに示す機能もあります。行動指針コメントは、「専門業者に連絡してください」というようなユーザの行動を示すコメント(文字列)です。ユーザは、行動指針に基づいて、連絡や避難の行動をとることができます。

【課題】
避難先の被災状況に係る情報を取得でき、地震発生後の避難行動における安全性の向上に貢献できる避難先情報取得システム及び避難先情報取得方法を提供する。
【請求項1】
 加速度センサが設置され、かつ前記加速度センサによって計測された加速度に基づいて地震による被災状況を判定可能な複数の建物が通信ネットワークで接続されている避難先情報取得システムであって、
 前記被災状況の判定を実施する第一被災度判定手段と、
 前記第一被災度判定手段による判定結果を複数収集し、当該判定結果を把握する第二被災度判定手段と、を備え、
 前記第二被災度判定手段は、収集した前記判定結果を用いて、前記複数の建物それぞれの被災状況に基づき、前記複数の建物のうち避難可能な避難先候補となる建物を絞り込むことを特徴とする避難先情報取得システム。

今日のみどころ

 地震発生時の避難先をユーザに提示するシステムの発明です。住宅に取り付けられる地震計、通信ネットワーク、サーバでの処理などそれぞれこまかく説明されていて、読みごたえがある明細書になっています。発明のポイントになる部分は、明細書の段落[0114]~[0121]、図26~28あたりに記載されています。

 複数の建物とつながった地域にメリットがある発明だと思います。このあたり、個々の住宅だけでなく、複数の住宅を含めた地域のことを考えている住宅メーカであるミサワホームらしい発想からきているのかもしれません。こういう視点で技術を考えてみるのも面白いですね。

 

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