【特許紹介】カーナビにWi-Fi接続するスマホをアプリのアカウント名で選択できる特許発明(アルパイン)

図1

 今回は、カーナビに関する特許を紹介します。一緒に勉強しましょう。

 従来のカーナビでは、Wi-Fi接続するスマホをMACアドレスで選択するようになっていて、MACアドレスからスマホを識別するのは困難であるという問題がありました。

 この発明のカーナビでは、Wi-Fi接続するスマホをアプリケーションのアカウント名で選択できるように表示します。これにより、ユーザがスマホを識別するのが容易になります。

 特許第6184844号 アルパイン株式会社
 出願日:2017年8月4日 登録日:2013年11月20日



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MACアドレスからスマホを識別するのは困難である問題

 カーナビなどの車載装置にスマホなどの携帯端末を接続して、スマホの音楽や映像をカーナビに送信することができます。接続は、Wi-FiやBluetoothが想定されます。

 複数のスマホが接続可能なときは、接続するスマホを選択する画面がカーナビに表示されます。このとき、スマホのMACアドレスが表示され、ユーザは、表示されたMACアドレスを見て接続するスマホを選択します。

 しかしながら、ユーザは、MACアドレスを見てスマホを識別することは困難だという問題がありました。

Wi-Fi接続するスマホをアプリのアカウント名で選択できるよう表示

図7

 この発明では、車載装置は、スマホのMACアドレスとともに、アプリケーションのアカウント名を表示します。

 また、複数の端末がある場合には、複数の端末に共通にインストールされているアプリケーションのアカウント名が選択されて表示されます。

 図7のように複数の端末に「アプリB」がインストールされている場合には、その「アプリB」のアカウント名である「APN_Taro」、「taka8」、「coffee」がカーナビに表示され、ユーザはこのアカウント名を見て、接続する端末を選択できます。

 これにより、MACアドレスだけが表示される場合よりも、MACアドレスとともに他の端末と共通のアプリのアカウント名が表示されるので、スマホを識別しやすくなります。

【課題】
各携帯端末から取得した利用者情報を表示可能な車載装置、携帯端末選択方法および携帯端末選択プログラムを提供する。
【請求項1】
無線通信可能なエリア内にある少なくとも1つの携帯端末と接続可能な電子装置であって、
 前記無線通信可能なエリア内に存在する携帯端末を探索し、探索された携帯端末の固有情報を取得する取得手段と、
 前記取得された固有情報を選択項目としてリスト表示した選択画面を表示する表示手段と、
 ユーザーにより前記選択画面から前記選択項目が選択されたとき、当該選択項目に対応する携帯端末と接続する接続手段と、
 前記接続された携帯端末から利用者情報を取得する利用者情報取得手段と、
 前記利用者情報が取得されたとき、当該利用者情報を対応する固有情報に関連付けして記憶する記憶手段と、を備え、
 前記表示手段は、前記取得手段により取得された固有情報に対応する利用者情報が前記記憶手段に記憶されているとき、少なくとも前記利用者情報を前記選択項目としてリスト表示し、
 前記利用者情報は、前記携帯端末にインストールされたアプリケーションのアカウント情報であり、
 前記表示手段は、1つの固有情報に対し複数のアカウント情報が記憶されている場合、前記取得手段により探索された複数の携帯端末間で共通のアプリケーションのアカウント情報を表示する、電子装置。

今日のみどころ

 カーナビにWi-Fiで接続する端末をMACアドレスで選ぶのが不便なので、アプリのアカウント名で選べるようにする発明です。課題もわかりやすいし、効果もわかりやすい。解決方法もわかりやすい。

 こういう技術で特許が取れるとうれしいですよね。