従来、Wi-Fiステーションとして動作している機器にWi-Fi Direct接続できないという問題がありました。
この発明では、Wi-Fiステーションとして動作している機器の再設定にWi-Fi Direct接続をすることで、この問題を解決します。
特許第6184105号 キヤノン株式会社
出願日:2013年1月25日 登録日:2017年8月4日
Wi-Fiステーションとして動作している機器にWi-Fi Direct接続できない
デジカメとプリンタをWi-Fiのような無線LANで接続する場合に、一方がWi-Fiのアクセスポイント(基地局)になり、他方がWi-Fiのステーションになることがあります。Wi-FiのアクセスポイントがなくてもデジカメとプリンタとをWi-Fiで手軽に接続できる利点があります。
また、デジカメとプリンタを接続するのにWi-Fi Directを用いることもできます。Wi-Fi Directで接続する場合、通信機器は、周囲の通信機器を探索してリストを表示し、ユーザにより選択された機器に接続します。
しかし、従来のリストには、アクセスポイントとして動作している機器が選択可能として表示され、ステーションとして動作している機器は選択不可能として表示されていました。そのため、デジカメが、ステーションとして動作しているプリンタにWi-Fi Directで接続できないという問題がありました。
ステーションとして動作している機器の再設定にWi-Fi Direct接続
この発明では、デジカメが周囲のデバイスを探索して表示した(図4のS405)後、アクセスポイントとして動作しているプリンタに接続する場合には、従来と同じようにWi-Fiのステーションとして接続します。
また、デジカメが、ステーションとして動作しているプリンタに接続する場合には、そのプリンタの再設定を促す情報を表示します(図5のS502)。そして、ユーザによる操作によってネットワークの再設定がなされたプリンタとWi-Fi- Directの接続を開始します(図5のS503)。
このようにすることで、デジカメが、ステーションとして動作していたプリンタにも接続できるようになります。
ユーザが所望の通信装置を選択する際の利便性を向上させる。
【請求項1】
通信装置であって、
接続先の通信装置を選択するための条件を入力する入力手段と、
無線ネットワークの基地局として動作している第1の通信装置から、当該第1の通信装置を示す情報と、当該第1の通信装置が構築した無線ネットワークに参加している第2の通信装置を示す情報とを、前記第1の通信装置との無線接続処理を行う前に受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置の中から、前記入力手段によって入力された条件に対応する通信装置を選択する選択手段と、
前記選択手段による選択に応じて、前記第1の通信装置又は前記第2の通信装置とのWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行う接続手段と、
を有し、
前記接続手段は、前記選択手段によって前記第1の通信装置が選択された場合、当該第1の通信装置が構築した無線ネットワークに参加することによって当該第1の通信装置とWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行い、前記選択手段によって前記第2の通信装置が選択された場合、当該第2の通信装置が前記第1の通信装置が構築した無線ネットワークから切断した後、当該第2の通信装置とWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行うことを特徴とする通信装置。
今日のみどころ
Wi-Fiの通信モードには、アクセスポイントを介してステーション同士が通信するインフラストラクチャモードと、ステーション同士がアクセスポイントを介さずに通信するアドホックモードがあります。そしてインフラストラクチャモードを利用して、2つの機器の一方をアクセスポイントとし、他方をステーションとして手軽に接続できるようにするWi-Fi Directという新しい規格が登場しています。
この発明は、新しい規格が登場し、新しい規格と古い規格とが混在するときに生ずる問題を解決するというアプローチといえます。新しい規格はいろいろな分野でこれからも生まれ続けていきますから、このアプローチもこれからも有効でしょう。
あと、課題解決のためにユーザのアクションを必要とする場合がよくあります、ユーザのアクションを直接に請求項に書くわけにはいかないので、そのアクションの前後で装置が行う処理を記載するようにします。その観点で書き方の参考にもなります。
ちなみに、よく知られていることですが「キヤノン」の「ヤ」は大きいです。「キャノン」ではないよ。