今回は、Wi-Fi Directに関する特許発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、Wi-Fi Direct通信の相手の選択画面での選択が困難であるという問題があります。
この発明では、通信装置が、基地局にも端末にもWi-Fi Directで接続できるようにします。このとき、通信相手を選択する画面上では、端末も選択可能な状態で表示されると考えられます。これにより、Wi-Fi Direct通信の相手の選択画面での選択を容易にし、問題を解決します。
Wi-Fi Direct通信の選択画面で選択がむずかしい
Wi-Fi対応の機器同士がインフラストラクチャモードの直接接続をするWi-Fi Directという通信規格があります。
インフラストラクチャモードというのは、アクセスポイントと端末が通信するモードという意味です。インフラストラクチャモードの他に、端末同士がアクセスポイントを介さずに通信するアドホックモードがあります。
Wi-Fi Directで通信しようとする場合、ユーザは、通信装置の画面(ユーザインタフェース)上で、通信相手になる通信装置を選択します。
しかし、その選択の画面上で、無線LANクライアントとして動作している端末が、選択できない状態で表示されるなど、通信相手になる通信装置を選択することがむずかしいという問題があります。
基地局にも端末にもWi-Fi Directで接続できる
この発明の通信装置は、基地局(アクセスポイント)として動作している通信装置(第一の通信装置)または、端末(ステーション)として動作している通信装置(第二の通信装置)にWi-Fi Directの接続をします。
ユーザが第一の通信装置つまり基地局を選択した場合には、通信装置は、その基地局に参加することによって第一の通信装置とWi-Fi Directの接続処理を実行します。
ユーザが第二の通信装置つまり端末を選択した場合には、通信装置は、第二の通信装置が第一の通信装置との接続を切断したあとで、第ニの通信装置とWi-Fi Directの接続処理をします。
このようにすることで、通信装置は、基地局と端末とのどちらにもWi-Fi Directの接続をすることができます。このとき、通信相手を選択する画面上では、端末も選択可能な状態で表示されると考えられます。
その結果、通信相手を選択することがむずかしいという問題を解決できます。
特許第6184105号 キヤノン株式会社
出願日:2013年1月25日 登録日:2017年8月4日
ユーザが所望の通信装置を選択する際の利便性を向上させる。
【請求項1】
通信装置であって、
接続先の通信装置を選択するための条件を入力する入力手段と、
無線ネットワークの基地局として動作している第1の通信装置から、当該第1の通信装置を示す情報と、当該第1の通信装置が構築した無線ネットワークに参加している第2の通信装置を示す情報とを、前記第1の通信装置との無線接続処理を行う前に受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置の中から、前記入力手段によって入力された条件に対応する通信装置を選択する選択手段と、
前記選択手段による選択に応じて、前記第1の通信装置又は前記第2の通信装置とのWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行う接続手段と、
を有し、
前記接続手段は、前記選択手段によって前記第1の通信装置が選択された場合、当該第1の通信装置が構築した無線ネットワークに参加することによって当該第1の通信装置とWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行い、前記選択手段によって前記第2の通信装置が選択された場合、当該第2の通信装置が前記第1の通信装置が構築した無線ネットワークから切断した後、当該第2の通信装置とWi-Fi Direct規格に従った無線接続処理を行うことを特徴とする通信装置。
今日のみどころ
基地局として動作している通信装置にも、端末として動作している通信装置にも、Wi-Fi Directで接続できるようになる発明です。
請求項1に書いてある内容は、ちょっと複雑でわかりにくいような印象もありますが、よく読めばそんなに複雑ではないです。
ただ、課題と請求項1の内容が、若干、整合していないような感じもしますが、まあこれくらはいいんでしょうか。いいんでしょうね、きっと。