【特許紹介】許容騒音レベルと飛行中の騒音レベルとを比較してドローンを制御する特許発明(楽天グループ)を紹介

 今回は、ドローンの飛行の制御に関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、ドローンの騒音対策が十分でないという問題があります。

 本発明では、パラメータごとに設定された許容騒音レベルと飛行中の騒音レベルとを比較してドローンを制御します。これにより、より柔軟に騒音対策を行うことができます。



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ドローンの騒音対策が十分でない問題

 無人で飛行する航空機(ドローン)があります。ドローンが飛行するとき、騒音が発生します。

 従来、ドローンの騒音対策がなされています。例えば、航空機(ヘリコプタ)の着陸時の騒音を低減できる飛行経路を選定する技術などがあります。

 しかしながら、ドローンの騒音対策が十分でないという問題があります。

パラメータごとに設定された許容騒音レベルと飛行中の騒音レベルとを比較してドローンを制御


 この発明の制御装置によれば、より柔軟に騒音対策を行うことができます。

 まず、制御装置は、許容騒音レベルが登録されたテーブルをもっています。テーブルは、飛行時刻や高度などのパラメータごとに対応付けられています。

 次に、飛行機が飛行しているときのパラメータ(時刻や高度など)に対応付けられた許容騒音レベルを、テーブルから取得します。また、飛行機が飛行しているときの騒音レベルを取得します。

 そして、許容騒音レベルと、航空機が飛行しているときの騒音レベルとを比較して、航空機を制御します。

 このようにすることで、飛行している航空機の騒音レベルを制御することができます。

 特許第6878543号 楽天グループ株式会社
 出願日:2021年5月6日 登録日:2019年9月30日

【課題】
無人で飛行可能な航空機が飛行することにより発生する騒音に対して、より柔軟に騒音対策を行う。
【請求項1】
 無人で飛行可能な航空機を制御する制御装置であって、
 複数のパラメータのそれぞれに対応付けて許容騒音レベルを登録するレベル対応付けテーブルを予め記憶する記憶部と、
 前記航空機が飛行している時刻、高度、エリア、及び空域の気象の少なくとも何れか一つのパラメータを設定する設定部と、
 前記設定部により設定されたパラメータに対応する許容騒音レベルを前記レベル対応付けテーブルから取得する第1取得部と、
 前記航空機が飛行することにより発生する騒音のレベルを取得する第2取得部と、
 前記第1取得部により取得された許容騒音レベルと、前記第2取得部により取得された騒音のレベルとを比較し、当該比較結果から、飛行中の前記航空機を制御する制御部と、
 を備えることを特徴とする制御装置。

今日のみどころ

 飛行時刻や飛行高度などのパラメータごとに用意されている騒音レベルの許容値と、飛行中の騒音レベルを比較して航空機(ドローン)を制御するという発明です。

 請求項1の書き方が上手だなと思いました。ある意味、当然なことのようにも思えるのですが、この発明の特徴を含むような広い記載になっていて、かつ、余計な限定のない記載になっていると思います。