今回は、ドローンの飛行経路の決定に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、防塵機能を備えないドローンが粉塵の影響を受けにくくしたいという要望があります。
この発明では、粉塵センサを搭載したドローンによる検出結果を利用して、別のドローンの飛行経路を決定します。これにより、ドローン自信に粉塵センサが搭載されていない場合でも、粉塵の影響がない飛行経路を決定できます。
防塵機能を備えないドローンが粉塵の影響を受けにくくしたい
物資の配送などのためにドローンが利用されています。ここでは、ドローンなどの空を飛ぶものを航空機といっています。
航空機は、粉塵(空中に浮遊している粒子)が侵入するのを防止する防塵機能を有するものがありますが、一方、その重量などの問題で防塵機能を備えないものもあります。
そのため、防塵機能を備えない航空機が粉塵による影響を受けにくくする対策が求められています。
粉塵センサを搭載したドローンによる検出結果を利用して飛行経路を決定
この発明のシステムでは、航空機(ドローン)から得られる情報に基づいて、航空機の飛行経路を制御します。
航空機は、防塵機能と、粉塵を検出するセンサを搭載した無人航空機です。この航空機は、飛行しているときにセンサによって粉塵の量を検出してシステムに送信します。
システムは、この航空機から送られてくる粉塵の量を取得し、他の航空機の飛行経路を決定します。このとき、他の航空機が粉塵による影響を受けない飛行経路を決定します。
あと追加のアイデアとして、粉塵の量を検出するセンサを備えている航空機が、粉塵を抑えるために散水するというアイデアもあります。
このようにすることで、防塵機能を備えない航空機が、粉塵による影響を受けないように飛行することができます。
特許第6726814号 楽天株式会社
出願日:2019年10月9日 登録日:2020年7月1日
防塵機能を備えない航空機が粉塵による影響を受けにくくする粉塵対策を行うことが可能な処理システム、無人航空機、及び飛行経路決定方法を提供する。
【請求項1】
飛行を制御する制御部と、少なくとも前記制御部への粉塵の侵入を防止する防塵機能と、少なくとも前記制御部外に設置され粉塵を検出するセンサとを備える無人航空機を含む処理システムであって、
前記無人航空機の飛行中に前記センサにより検出された粉塵の量を示す情報を取得する取得部と、
前記粉塵の量に基づいて、他の航空機が当該粉塵による影響を受けにくい飛行経路を決定する決定部と、
を備えることを特徴とする処理システム。
今日のみどころ
物資の配送に用いられるドローンの飛行経路の決定に関するアイデアです。防塵機能のないドローンの飛行経路を、他のドローンが測定した粉塵の量に基づいて決めるというアイデアです。
とくに複数のドローンを使って同じ目的地に物資を配送するときなどには威力を発揮しそうです。
ドローンに防塵機能やセンサがついていないから粉塵の量がわからない!っていって思考停止していてはだめで、わからないならどこからとってくるか、という方向で考えるといいですよね。ナイスアイデアだと思います。