今回は、体重や体脂肪などの計測を利用して体調管理する技術に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、日々の体重の増減に一喜一憂して健康状態の改善につながらないという問題があります。
この発明では、体重などをユーザに提示するときに、直近の数日間の測定値を提示しないことで適切な健康管理を継続させます。
日々の体重の増減に一喜一憂して健康状態の改善につながらない問題
健康管理のために体重や体脂肪を日々計測する方法があります。
体重や体脂肪は、一日の生活状態によって測定値が変動しやすいことが知られています。そのため、ある程度の期間の推移を把握することが必要です。
言い換えれば、日々の測定値の増減に敏感になりすぎて一喜一憂していると、健康状態の改善につながらない結果となるという問題があります。
直近の数日間の測定値を提示しないことで健康管理を継続させる
この発明のシステム(健康関連情報管理システム)では、体重や体脂肪などの測定値をユーザに提示するタイミングに工夫があります。
具体的には、体重や体脂肪などの測定値をユーザに提示する条件を示す「提示タイミング条件」をあらかじめユーザが設定しておきます。提示タイミング条件は、その測定値を測定したタイミングに基づいて設定されます。
そして、体重や体脂肪などを測定したタイミングに基づいて測定値を提示しようとするときに、提示タイミング条件が満たされているかどうかを判定し、満たされているときだけ測定時を提示します。
例えば、提示タイミング条件は、「日曜日のゼロ時」と設定されます。そして例えば8月24日(月)の15時に体重を提示する場合には、8月23日(日)のゼロ時より前の測定値が提示され、それ以降の測定値は提示されません。
このようにすることで、直近の数日間の測定値をユーザが見られないようにすることができ、ユーザが直近の数日間の測定値に一喜一憂せずに健康管理を継続できるようになります。
特許第6617316号 株式会社CureApp
出願日:2018年9月18日 登録日:2019年11月22日
健康状態を改善するために健康関連情報を適切に管理するための健康関連情報管理プログラム、装置、システム及び方法を提供する。
【請求項1】
予め設定された提示タイミング条件を満たすようになるまで測定データに基づく測定結果を提示しない一以上の電子装置を備える健康関連情報管理システムであって、
一以上の電子装置の少なくとも一つが、健康関連情報測定器によって測定された測定値及び当該測定値の測定タイミングを示す情報を含む測定データを記憶し、
一以上の電子装置の少なくとも一つが、測定タイミングを示す情報に基づいて測定データに基づく測定結果を提示するタイミングにおいて提示タイミング条件を満たす測定データを判定し、
一以上の電子装置の少なくとも一つが、前記提示タイミング条件を満たすと判定された測定データに基づく測定結果を提示し、前記提示タイミング条件を満たしていない測定データに基づく測定結果を提示しない、
ことを特徴とすることを特徴とする健康関連情報管理システム。
今日のみどころ
体重の日々の変化に一喜一憂しないようにする、そのために、直近の数日間の測定値を表示しないというとてもシンプルな発明です。
こういう発明は、実際にサービスを提供している中で出てくる課題を解決しようと考えた結果として出てくるものだと思います。ただ単にサービスを頭の中で考えているだけでは思いつかない課題ですね。
実際にサービスを提供している人ならではの課題を見つけると、その解決策をシンプルに考えるだけで、他にない新規な発明になって特許が認められやすい。イイ感じですね。