マルチ画面表示システムの構成を知らなくても映像信号を送れるようにする特許発明 NECディスプレイソリューションズ

図1

 従来、汎用の映像送信装置の映像をマルチ表示システムで表示できない問題があります。

 この発明では、マルチ表示システムの中の上位の表示装置が映像信号を加工して、下位の表示装置に出力します。これにより、映像を送信する装置は、マルチ表示システムの構成を知らなくても映像を送信することができるようになります。

 特許第6319814号 NECディスプレイソリューションズ株式会社
 出願日:2016年7月15日(分割の原出願日:2013年1月21日) 登録日:2018年4月13日

汎用の映像送信装置の映像をマルチ表示システムで表示できない問題

 複数の表示装置をカスケード接続(縦続接続、数珠つなぎ)して構成されるマルチ表示システムがあります。このようなマルチ表示システムに映像を送信する映像送信装置は、複数の表示装置のうちの1台(マスタ)に映像を送信します。

 このとき、映像送信装置は、マルチ表示システムのシステム構成(表示装置の台数や解像度)に応じた映像信号を出力する必要があります。

 しかし、パソコンのような汎用の装置が映像を出力する場合、つまり、パソコンを映像送信装置として使用する場合、マルチ表示システムのシステム構成に応じた映像信号を出力することができないという問題があります。

 例えば、HDMI規格では、EDID情報を用いて表示装置の特性を得ることができますが、EDIDがマルチ表示システムの現時点のシステム構成を正しく示しているとは限らないという問題があります。

上位の表示装置が映像信号を加工して下位の表示装置に出力する

図2


図4

 この発明のマルチ表示システムでは、汎用の装置が、複数の表示装置のうちの上位の表示装置(マスタ)に映像を送信します。上位の表示装置は、受け取った映像信号のうちの一部を表示し、さらに、表示した一部が下位の表示装置に表示されないように信号を加工して、下位の表示装置に出力します。

 信号の加工は、具体的には、下位の表示装置が表示する信号に加工して出力する方法、又は、上位の表示装置が出力した領域が非有効期間になるように加工する方法があります。非有効期間は、一例として、HDMIのDE(Data Enable)信号によって制御できます(図4)。

 その結果、例えば、汎用の装置であるパソコンが映像を送信するだけで、その映像の左半分を上位の表示装置が表示し、残りの右半分を下位の表示装置が表示するというように、複数の表示装置にわたって画像を表示することができます(図1)。このとき、パソコンは、マルチ表示システムのシステム構成を知る必要がないというメリットがあります。

【課題】
汎用の信号源を用いた場合であっても、システム構成に応じた解像度の画像を表示することの可能な表示装置、マルチ表示システム、およびマルチ表示方法を提供する。
【請求項1】
 信号源が出力する映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置が縦続接続されたマルチ表示システムに用いられる表示装置であって、
 上位装置が出力した映像信号を受信する受信部と、
 前記映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示する表示部と、
 前記表示部に表示される画像の解像度を記憶する記憶部と、
 下位表示装置と接続可能な接続部と、
 前記接続部に下位表示装置が接続された場合、前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信し、かつ、前記下位表示装置に前記映像信号を出力する通信部と、
 前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する制御部と、を備え、
 前記受信部は、前記上位装置が出力した、映像信号のうち表示する期間である有効期間と表示しない期間である非有効期間とを示す表示領域情報を受信し、
 前記表示部は、前記受信部が受信した表示領域情報に従って、前記有効期間の先頭から前記第1解像度に対応する前記映像信号に応じた画像を表示し、
 前記通信部は、前記受信部が受信した表示領域情報を、前記下位表示装置が表示する期間に対応する情報に加工し、または、前記表示領域情報を、映像信号のうち前記表示部に表示させる領域が非有効期間となるように加工し、前記加工した表示領域情報を前記下位表示装置に出力する、表示装置。

今日のみどころ

 複数のテレビを配置して1つの映像を表示すること自体は、昔から行われてきました。よくショッピングセンターの広場に、アナログテレビが縦3台×横3台とかで配置されていましたよね。

 ユーザからの見た目は似たようなものですが、映像伝送規格が進化したので、それを実現する方法も変わってきます。1つの技術の進化が、それにまつわる技術を進化させるようなものです。こうやって発明が発明を生んでいきます。どんどん発明しましょう。