今回は、ドローンで物品を配送する技術に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、ドローンで物品を宅配して不適切な場所に置くと物品にダメージを与えるという問題があります。
この発明では、ドローンが飛行中に地面をセンシングして、物品の適切な置き場所を決定します。これにより、適切でない地面に物品を配置してしまうことを回避できます。
ドローンで物品を宅配して不適切な場所に置くと物品にダメージを与える問題
ドローンのような無人航空機(UAV, Unmanned Aerial Vehicle)による物品の配送が検討されています。
物品が配置される場所が適切でない場合があます。例えば、水たまりがあって配送物が濡れる場合には、水たまりがある場所が適切ではない、配送物が衝撃に弱い場合には、コンクリートの地面は適切ではないといえます。
物品が配置される場所が適切でない場合、物品を適切に配置することができないという問題があります。物品にダメージを与えてしまうこともあり得ます。
ドローンが飛行中に地面をセンシングして、物品の適切な置き場所を決定
この発明の輸送システムは、適切な場所に物品を配置できるようにします。
まず、物品の配送をしているドローンなどの無人航空機(または、その他の無人航空機)が、飛行中に地面をセンシングすることで、地面の属性を特定します。
地面をセンシングというのは、具体的には、カメラで撮影することのほか、赤外線センサ、熱センサ、超音波センサなどでのセンシングも含まれます。
そして、地面の属性を特定します。地面の属性というのは、地面の種別(コンクリート、土、芝生など)、地面の硬さ、形状、状態なども含まれます。
最後に、地面の属性に基づいて、地面のうちの適切な場所に、物品の配置場所を決定します。
このようにすることで、適切でない地面に物品を配置してしまうことを回避できます。
特許第6712682号 楽天株式会社
出願日:2018年12月25日 登録日:2020年6月3日
無人航空機により輸送される物品を、より適切な配置場所に配置することを可能とする配置場所の決定方法、輸送システム、及び情報処理装置を提供する。
【請求項1】
物品を所定の輸送先エリア内へ輸送する無人航空機を含む輸送システムにより実行される決定方法であって、
前記物品を輸送する無人航空機または当該無人航空機以外の無人航空機が飛行中に行うセンシングであって前記輸送先エリア内の地面のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、前記地面を複数の属性のうち何れかの属性に分類することにより当該地面の属性を特定する特定ステップと、
前記地面の属性に基づいて、前記地面のうちの全部または一部の領域を前記物品の配置場所として決定する決定ステップと、
を含むことを特徴とする配置場所の決定方法。
今日のみどころ
ドローンで荷物の配送を行うときに、水たまりに荷物を置いてしまうことを避けるために必要になる技術ですね。
まだ新しい分野なので、特許ネタもたくさん眠っていると思います。