スマホのスワイプ操作でBluetoothの通信相手を指定する発明 楽天

 Bluetoothの通信相手を直感的に指定したいという課題を解決する発明です。

 この発明の端末(スマホ)では、スワイプ操作の量と方向で通信相手を指定することで、直感的な操作による通信相手の指定を実現します。

 特許第5971785号 楽天株式会社
 出願日:2015年3月13日 登録日:2016年7月22日



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

Bluetoothの通信相手を直感的に指定したい要求

スマホなどの通信装置でBluetoothなどの近距離無線通信が用いられています。近距離無線通信での通信相手の装置を直感的に指定する技術が検討されています。

 従来は、通信相手がどの方向に存在しているかを示す情報をあらかじめ登録しておき、実際に通信するときに、通信相手が存在している方向を入力することによって、その通信相手と通信する技術があります。

 しかし、この技術では、通信相手が存在している方向が、あらかじめ登録する情報から変更された場合にうまく動作しないなどの問題があります。

スマホのスワイプ操作で通信相手を指定

 この発明では、通信する2つの装置を向かい合わせた状態にすることで、お互いを通信相手として指定する(ペアリングする)ようにします。向かい合わせた状態とは、具体的には、2つの装置間の距離が所定範囲内であって、かつ、2つの装置が向かい合う向き、つまりちょうど反対向きになる位置関係です。

 ペアリングの後、スマホは、ペアリング後の相手装置の移動方向と移動量を取得して、通信相手の相対位置を更新します。

 実際にデータを送信しようとするときには、ユーザが、スマホでスワイプ操作(具体的にはスワイプ方向とスワイプ量)によって通信相手の方向を指定します。スマホからスワイプ操作で指定された通信装置が通信先として指定され、データが送信されます。これにより直感的に通信相手が指定されます。

 なお、請求項1では、位置関係と操作方法については限定しておらず、向かい合わせの位置関係については請求項2で、スワイプ操作については請求項5で限定しています。

【課題】
直観的操作により、複数の可搬無線通信装置のうち所望の装置にデータを送信できる可搬無線通信装置、無線通信方法及びプログラムを提供する。
【請求項1】
 複数の相手通信装置の相対位置を記憶する相対位置記憶手段と、
 前記複数の相手通信装置の移動先を示す移動先情報を順次受信する移動先情報受信手段と、
 前記移動先情報に基づいて前記複数の相手通信装置の相対位置を更新する相対位置更新手段と、
 ユーザによる通信方向の指定を受け付ける受付手段と、
 前記通信方向と前記各相手通信装置の相対位置とに基づいて1の前記相手通信装置を特定する特定手段と、
 特定される前記相手通信装置にデータを送信する送信手段と、
 を含む可搬無線通信装置において、
 1の前記相手通信装置に対する他の前記相手通信装置の相対位置を受信する相対位置受信手段と、
 前記可搬無線通信装置に対する前記1の前記相手通信装置の相対位置を前記相対位置記憶手段から読み出す相対位置読出手段と、
 前記相対位置受信手段により受信される相対位置と、前記相対位置読出手段により読み出される相対位置と、に基づいて、前記可搬無線通信装置に対する前記他の前記相手通信装置の相対位置を算出する相対位置算出手段と、
 前記相対位置算出手段により算出される相対位置を前記他の前記相手通信装置に関連づけて前記相対位置記憶手段に格納する相対位置格納手段と、
 をさらに含む可搬無線通信装置。

今日のみどころ

 Bluetoothでの通信相手を、スマホでのスワイプ操作の方向とスワイプ量とで直感的に指定できる発明です。

 スワイプ操作などのスマホの操作は、人間の間隔に合わせて方向や量を直感的に入力できる操作方法といえます。この入力方法は、いろいろな操作に応用することができます。発明のひと工夫として取り入れることができそうですよね。