据置型と可搬型の2つの表示装置に画像を表示させるゲームに関する発明です。据置型の表示装置の例はテレビで、可搬型の表示装置の例は、任天堂WiiUのGamePadのようなもののようです。
この発明のゲーム機は、据置型の表示装置にゲーム画像を表示しているときに、ゲームとは直接関係がない処理(例えばチャット)のデータを送受信し、これにより受信した文字などの画像を可搬型の表示装置に表示します。これにより、ゲーム画像の視聴に影響を与えることなく、ユーザがチャットをすることができます。
特許第5890969号(特開2011-125647) 任天堂株式会社
出願日:2011年6月3日 登録日:2016年2月26日
ゲームとチャットの両方をテレビに表示させると見にくい問題
ネットワーク経由で通信するゲーム機で、ゲームの処理をしながらチャットの処理もするものがあります。このようなゲーム機は、ゲームの画像をテレビに表示するとともに、そのテレビの一部分の領域にチャットで送受信する文字情報を表示します。
このようなゲーム機を使用するユーザは、ゲームの画像と、チャットで送受信する文字情報の両方を見ることができる利点があるものの、チャットの情報が表示されるせいで、ユーザにとってゲーム画像が見にくいという問題があります。
チャットを可搬型の表示装置に表示して解決
この発明のゲーム機は、据置型と可搬型の2つの表示装置に画像を表示させます。そして、据置型の表示装置(例えばテレビ)にゲーム画像を表示しているときに、ゲームとは直接関係がないチャットの処理のデータをネットワーク経由で送受信し、受信したチャットの文字などの画像を可搬型の表示装置に表示します。
これにより、ゲームの画像の視聴に影響を与えることなく、ユーザのチャットによるコミュニケーションを可能にすることができます。
なお、請求項1では、「ゲーム」や「チャット」に限定されない広い表現が用いられています。
ゲームのプレイやテレビ番組の視聴などに影響を与えることなく、離れた場所にいるユーザ間で、ビデオチャットやテキストチャットのように、画面に表示される画像を見ながらリアルタイムにコミュニケーションすることが可能な情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【請求項1】
据置型表示装置と、所定の入力部を有する可搬型表示装置に画像を表示させることが可能であって、入力装置と、他の情報処理装置(以下、通信相手装置と称す)と通信するための通信手段とを備えた情報処理装置のコンピュータを、
前記入力装置からの入力に基づいて所定の情報処理を実行する処理手段、
前記所定の情報処理に基づく画像を前記据置型表示装置に表示させる第1表示制御手段、
前記所定の入力部より入力され、前記所定の情報処理に影響を与えない文字情報および/またはカメラ画像を、前記通信手段を通じて前記通信相手装置へ送信する送信手段、
前記通信相手装置において入力された前記所定の情報処理に影響を与えない文字情報および/またはカメラ画像を、前記通信手段を通じて前記通信相手装置から受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された文字情報および/またはカメラ画像を、前記可搬型表示装置に表示させる第2表示制御手段として機能させる、情報処理プログラム。
今日のみどころ
ゲームとチャットを一画面に表示するとゲームの表示領域が狭くなるので、2画面それぞれに表示しますという、大変シンプルなアイデアだと思います。このアイデアに、チャットのための通信処理がからめられて特許性が認められていると思います。
このようにシンプルな技術は、意外と先行技術が見つからない場合があります。いままでにない技術を着想したと思ったときには、多方面から見て、頭をやわらかくして発明の発掘を行うのが良いと思います。シンプルなだけに特許がとれると利益が大きいです。