無線WANと無線LAN両方使える移動端末の無線通信を安定化する発明 ヤフー



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 無線WAN通信と無線LAN通信との両方ができる無線端末(例えばスマホ)での無線LANの接続制限に関する発明です。この無線端末は、ユーザの移動先のエリアを予測し、移動先のエリアでの無線LANの切り替え状態(例えば、切り替え回数、切り替え頻度、切り替え間隔)を推定します。そして、推定した切り替え状態に応じて無線LAN接続を制限します。無線LAN接続が制限されているときには無線WAN接続が使われます。
 これにより、無線LANアクセスポイントとの接続と切断が頻繁に発生することが抑制され、無線端末による安定した無線通信が可能になります。

 特許第5927133号(特開2014-171118) ヤフー株式会社
 出願日:2013年3月4日 登録日:2016年4月28日



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無線LANエリアがとぎれとぎれだと無線LAN通信の接続と切断が頻発する問題

 スマホのように、無線WAN通信(例えば携帯電話網)と無線LAN通信(例えばWi-Fi)との両方の通信インタフェースを有する無線端末があります。一般に、無線WAN通信の電波は数kmというように比較的遠くまで到達し、複数の基地局によって連続的な比較的広い通信エリアを形成することができる利点がありますが、通信帯域が比較的狭いという欠点があります。一方、無線LAN通信の電波は数10mというように比較的近くまでしか到達せず、複数の基地局を用いても通信エリアがとぎれとぎれになるという欠点があります。無線LAN通信は通信帯域が比較的広いという利点があります。
 一般に、通信コスト及びトラフィック制御の観点から、無線WAN通信をデフォルトとし、無線LAN通信の通信エリア内では無線LAN通信をするという使い方がなされています。この場合、無線LAN通信の通信エリアがとぎれとぎれになっていると、無線端末が移動するときに、無線LANアクセスポイントとの接続と切断が頻繁に発生し、通信が不安定となる問題があります。

予測される移動での無線LAN接続切り替え回数に応じて制限

 この発明の無線端末は、無線端末の移動(ユーザの移動)の方向や速度に基づいて将来の無線端末の移動エリアを予測します。次にそのように移動をした場合に、基地局との無線LAN接続の切り替えが何回行われるかを推定します。そして、無線LAN接続の切り替えが閾値以上である場合に無線LAN接続を制限します。これにより、無線LANアクセスポイントとの接続と切断が頻繁に発生することが抑制され、安定した通信が可能になります。
 なお、無線LAN接続の切り替え回数の代わりに、切り替え頻度、又は、切り替え間隔を用いて同様の制御するアイデアもあります。

【課題】
無線通信の接続安定性が著しく低下することを抑制できる無線通信端などを提供する。
【請求項1】
 無線LAN通信部と、
 ユーザの移動エリアを予測する予測部と、
 前記予測部によって予測された前記移動エリアにおける無線LAN通信環境に基づき、前記移動エリアに存在する複数の無線LANアクセスポイントに対する前記無線LAN通信部での無線LAN接続の切り替え状態を推定する推定部と、
 前記推定部によって推定される前記切り替え状態に基づいて、前記予測部によって予測された前記移動エリアにおける前記無線LAN通信部での無線LAN接続を制限する通信制御部と、
を備えることを特徴とする無線通信端末。

今日のみどころ

 無線WANの基地局は携帯電話事業者がきちんと設計した上で設置されているのに対し、無線LANの基地局は、いろいろな事業者や人が自由に設置していることが想定されます。無線LANの通信範囲が比較的狭いことから無線LANの通信エリアを穴がないように連続的に形成することは難しいと考えられます。また、基地局の設置場所の制約、遮蔽物の存在などにより通信可能エリアが途切れてしまうこともあります。
 このような無線LANの通信エリアの特徴を考慮して、無線端末が無線LAN通信を安定的に使えるところでは使う、そうでないところでは無線WAN通信を使うという使い分けをすることがこの発明のポイントです。
 なお、請求項1の記載が、余計な限定がなくとてもすっきりしている点にも注目です。良いと思います。