アドホックネットワークで通信経路が重複したら切替る中継装置の発明 NECプラットフォームズ

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 アドホックネットワーク(無線マルチホップネットワーク)における中継ノードでの経路制御に関する発明です。中継ノードは、アドホックネットワークの他のノード同士でなされる通信の通信経路が自装置で重複していることを検出すると、重複している通信経路のいずれかを切り替えさせます。
 これにより、通信経路の重複を回避し、通信速度の低下を回避します。

 特許第5787351号(特開2013-12864) NECプラットフォームズ株式会社
 出願日:2011年6月29日 登録日:2015年8月7日



 ※特許の本の紹介。
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複数の通信経路で用いられる中継ノードで通信速度が低下する問題

 アドホックネットワークでの通信に用いられる通信経路は、このネットワーク内のノードそれぞれによりルーティングプロトコルを用いる等して構築されます。すると、複数の通信経路が同じ中継ノードを経由することがあります。
 複数の通信経路で用いられる中継ノードに通信トラフィックが集中すると、通信トラフィックが集中する部分が通信のボトルネックとなり通信速度が低下するという問題があります。

通信経路が重複したら通信経路を切り替えることで解決

 そこで、本発明の中継ノードは、複数の通信経路の重複を検出した場合に、その複数の通信経路のうち優先度が低い通信経路を他の中継ノードを経由する通信経路に切り替えます。上記の通信経路の切り替えは、中継ノードの通信量が所定の通信可能量を超えているときに行われます。
 これにより、通信経路の重複箇所での通信トラフィックの集中が緩和され、通信速度の低下を抑えることができます。

【課題】
アドホック通信の多段中継接続において、通信環境に応じて通信速度の低下を抑える。
【請求項1】
 複数の中継ノード装置各々がアドホックモードで互いに直接無線通信を行う際に、その通信をバケツリレー方式でつないでマルチホップ通信を行うアドホックネットワークに用いる中継ノード装置であって、
 前記複数の中継ノード装置各々の優先度、使用通信帯域、中継ノード間のリンク速度を検出する第1の検出手段と、
 前記複数の中継ノード装置各々による異なる経路の第1及び第2の通信経路の重複を検出する第2の検出手段と、
 前記第2の検出手段にて前記第1及び第2の通信経路の重複を検出した場合に前記第1の検出手段の検出結果を基に前記第1及び第2の通信経路のいずれかの経路を変更させる制御手段とを有することを特徴とする中継ノード装置。

今日のみどころ

 トラフィックの集中を避けるために通信経路を切り替える技術は、ネットワークの基本技術の1つであると思います。これをアドホックネットワーク上で実現すべく、具体的な技術にまで落とし込んでいます。
 アドホックネットワークは、無線状況や通信トラフィック状況などを考慮したり、トラフィックの特性(例えば、リアルタイム性が求められるか、パケットロスの抑制が求められるか、等)を考慮したりと、さまざまな課題と解決方法がある分野で特許が生まれやすいと思います。