ブロックチェーン上の取引に連動して銀行口座の送金処理をする特許発明 三井住友銀行

図1

 従来、ブロックチェーン上の取引にあわせて現実の送金をするとミスや不正操作の問題がありました。

 この発明の取引方法では、ブロックチェーン上の取引に連動して、銀行口座間の送金処理を実行します。これにより、ミスや不正操作を起きないようにすることができます。

ブロックチェーン上の取引にあわせて現実の送金をするとミスや不正操作の問題

 従来、インターネット上での送金ができるようになっていますが、不正送金など安全性の問題があります。

 一方、取引データの改ざんが困難なことから安全性が高いブロックチェーン技術があります。ブロックチェーンは、過去のデータを変更することが実質的にできないようになっているので、ビットコインなどの仮想通貨のやりとりなどに代表されるように金融分野での利用が進んでいます。

 ブロックチェーンで金銭などの価値の取引を記録して、その取引にあわせて実際の金銭の送金を行う場合、実際の取引に際して人的ミスや不正操作がされる可能性があるという問題があります。

ブロックチェーン上の取引に連動して送金処理を実行

図3

 この発明の取引方法では、あらかじめ、ブロックチェーン上でのユーザのアドレスと、そのユーザの銀行口座を紐づけた情報をもっておきます。

 ブロックチェーンに参加しているコンピュータを監視して、ブロックチェーン上で新しい取引データが発生したかどうかを検知します。そして、ブロックチェーン上で新しい取引データが発生したときには、その取引データに基づいて、ユーザの銀行口座の間で送金処理(勘定系操作)をします。

 このようにして、ブロックチェーンを利用した金融取引に連動して、安全に実際の送金が行われるようにすることができ、実際の取引に際しての人的ミスや不正操作が起きないようにしています。

送金処理の確認、処理にスマートコントラクトを使うアイデアも

図4

 さらに、従属請求項の発明として、この送金処理の実行結果をブロックチェーン上の取引データと照合して、間違いがないことの確認をするアイデアもあります。

 また、ユーザの銀行口座の間で送金処理(勘定系操作)などの処理を、スマートコントラクトにより行うなどのアイデアもあります。普通のソフトウェアの処理で行うより、スマートコントラクトにより行う方が、金融取引の安全性や透明性をさらに高めることができる利点があります。

 特許第6218979号 株式会社三井住友銀行
 出願日:2017年2月24日 登録日:2017年10月6日

【課題】
BCを利用した金融取引において、人的ミスを排除し、取引の透明性も担保した取引方法およびシステムを構築する。
【請求項1】
 ブロックチェーン(BC)を利用した金融取引に連動して勘定系操作を実行するコンピュータであって、前記コンピュータは第1のコンピュータであって、
 BCネットワーク(BC-NW)に参加している第2のコンピュータから、前記金融取引の内容を示す取引データを受信し、
 前記取引データに基づいて、BC上の送金側アドレスに対応する送金側口座、およびBC上の受取側アドレスに対応する受取側口座に対し、勘定系操作を実行する
 ように構成されたことを特徴とするコンピュータ。

今日のみどころ

 この特許は、ブロックチェーン上の取引データにあわせて現実の送金処理をするときのアイデアです。ビットコインなどの仮想通貨は、ブロックチェーン上の取引データそのものによって管理されているので、少し違いがありますが、金銭などの価値の管理という観点では共通しています。

 ブロックチェーンやスマートコントラクトは、技術的にとてもうまくできていると思います。そのような技術が現実世界の取引に活用されるようになると、おもしろいなと思いますね。