ブロックチェーンで電子ロックの解施錠を管理する特許発明(DeNA)を紹介



 今回は、ブロックチェーンを用いた電子ロックの制御に関する特許を紹介します。不動産物件などの電子ロックに関連します。

 従来、電子ロックのアプリを携帯電話にインストールする必要があり不便であるという問題がありました。

 この発明では、ブロックチェーン上の解錠用トークンの送受信によって電子ロックを解錠できます。これにより、利用者がアプリを携帯電話にインストールする必要がなくなります。



スポンサードリンク

電子ロックのアプリを携帯電話にインストールする必要があり不便

 不動産物件、宿泊施設、自転車、自動車など、人が利用するもの(利用物)を電子的な鍵(電子ロック、電子錠)で管理することが行われています。

 一例として、電子ロックのアプリケーションを携帯電話にインストールし、そのアプリケーションの処理によって電子ロックの施錠や解錠がなされます。

 しかし、上記システムでは、電子ロックのアプリケーションを携帯電話にインストールする必要があり不便でした。そこで、より利便性が高いしくみが求められています。

ブロックチェーン上の解錠用トークンの送受信によって電子ロックを解錠


 この発明のシステムでは、ブロックチェーンのプラットフォーム上で鍵に相当する「解錠用トークン」という情報を送受信することによって電子ロックの解施錠を制御します。

 具体的には、利用物(上記の不動産物件など)の利用予約をするときに、ブロックチェーンのプラットフォーム上で、特別なトークンがその予約者のアドレスに送信されます。このトークンを「解錠用トークン」と呼んでいます。

 そして、利用物の解錠をするときには、利用者のアドレスから「解錠用トークン」が制御部に送信されます。制御部は、受信した解錠用トークンの送信元アドレスが、利用者のアドレスである場合に、この解錠用トークンが利用者から送信されたものであると判定して、電子ロックの解錠の制御をします。

 このような制御は、ブロックチェーン上のトークンを、電子ロックを解錠するための仮想的な鍵として用いてなされています。ブロックチェーン上で仮想通貨のやりとりだけでなく他の情報処理も行うことができるスマートコントラクト(イーサリアムのトークンコントラクト)のしくみを用いて実現されます。

 ブロックチェーン上でこのような制御がなされるので、利用者は電子ロックのための専用のアプリケーションを携帯電話にインストールすることなく、利用物の電子ロックを解除して利用することができるという効果があります。

 特許第6469920号 株式会社 ディー・エヌ・エー
 出願日:2018年5月11日 登録日:2019年1月25日

【課題】
対象物を利用するための電子ロックの管理を支援することを目的の一つとする。
【請求項1】
 1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、対象物の利用を管理するためのシステムであって、
 前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
 ブロックチェーンを用いる所定のプラットフォームにおける仮想通貨及びトークンを送受信するためのプラットフォームアドレスであって対象物の利用者のプラットフォームアドレスを伴う対象物の利用予約を受け付ける処理と、
 前記利用予約の受付に応じて、前記所定のプラットフォームにおけるトークンの一種であって前記利用予約における対象物が関連付けられている解錠用トークンを、前記利用予約における利用者のプラットフォームアドレスに対して送信する処理と、
 第1のプラットフォームアドレスにおける解錠用トークンの受信に応じて、受信する解錠用トークンに関連付けられている対象物を利用するための電子ロックの解錠を制御する処理と、を実行し、
 前記解錠を制御する処理は、前記受信する解錠用トークンの送信元のプラットフォームアドレスが前記利用予約における利用者のプラットフォームアドレスである場合に、前記受信する解錠用トークンに関連付けられている対象物を利用するための電子ロックを解錠する一方、前記受信する解錠用トークンの送信元のプラットフォームアドレスが前記利用予約における利用者のプラットフォームアドレスでない場合に、前記受信する解錠用トークンに関連付けられている対象物を利用するための電子ロックを解錠しないことを含む、
 システム。

今日のみどころ

 ブロックチェーンに関連する技術ですが、特許のポイントは電子ロックの解錠のための情報処理にあると思います。電子ロックの技術全体から見ると、ブロックチェーンを用いて解錠・施錠を管理しているものだけが、この特許にひっかかる可能性があるということです。

 請求項や明細書にブロックチェーンという用語がでてくると難しそうな感じがして、抵抗感が増してしまいます。でも、この発明を理解するためには、ブロックチェーンに関する知識はそんなに必要ないと思います。さくっと理解できます。

 特許のポイントをしっかりつかんで、効率よくいきましょう。