今回は、スマホを搭載して移動できるゲーム装置に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、スマホを玩具に装着して玩具を移動させることができません。
この発明では、スマホ(情報処理装置)が、ゲーム盤上での位置を特定し、移動装置を制御して移動することができます。
スマホを玩具に装着して玩具を移動させることができない
スマホ(スマートフォン)が利用されています。
また、スマホの表示部を利用した玩具があります。
しかし、スマホのような情報処理装置を玩具に装着して、玩具を移動させることはできませんでした。
ゲーム盤上での位置を特定し、移動装置を制御して移動
この発明のコンピュータプログラムは、情報処理装置を装着した移動装置(移動手段)を用いてゲームを実行することができます。
前提として、移動装置は、例えばキャタピラやタイヤをもっていて、床面に置かれたゲーム盤の上を移動します。移動装置には、情報処理装置が装着されていて、さらに撮影手段(カメラ)も搭載されています。
情報処理装置は、まず、カメラで撮影することにより、ゲーム盤上における情報処理装置の位置を特定します。
次に、特定したゲーム盤上における情報処理装置の位置と、ゲーム盤の構成情報に基づいて、移動装置を制御します。これにより、情報処理装置がゲーム盤上を移動します。
このようにして、情報処理装置を装着した移動装置が移動しながらゲームを進行させます。
ちなみに、ゲームの具体的な内容はとくに限定されませんが、対戦ゲーム、障害物レース、宝探しなどの例が明細書に記載されています。
特許第6678715号 株式会社バンダイ
出願日:2018年9月20日 登録日:2020年3月19日
情報処理装置を装着して構成される移動装置を用いてゲームを実行可能とするための技術を提供することを目的とする。
【請求項1】
撮影手段と制御手段とを備える情報処理装置に、ゲーム方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記情報処理装置は移動手段を備える本体部に装着されて、ゲーム盤上に設置可能であり、かつ、前記情報処理装置が前記移動手段を制御することにより前記ゲーム盤上を移動することが可能であって、
前記ゲーム方法は、前記情報処理装置が前記本体部に装着され、かつ、前記ゲーム盤上のいずれかに位置している場合に、
前記制御手段が、
前記撮影手段に、前記情報処理装置が位置する前記ゲーム盤の情報を取得させることと、
取得された前記ゲーム盤の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記ゲーム盤上における位置を特定することと、
前記情報処理装置の前記ゲーム盤上における位置と、前記ゲーム盤の構成情報とに基づいて、前記移動手段の制御を含む実行動作を決定することと、
前記実行動作に基づき前記移動手段を制御することと、
を含む、コンピュータプログラム。
今日のみどころ
スマホを搭載した装置がゲーム盤上を動くという、ちょっと珍しい装置です。バンダイが提供しているロボットカープログラミング教材「アルゴロイド」に関連する特許だと思われます。
ゲームそのもので特許を取ることはできないことになっていますが、請求項の書き方を工夫することで、実質的にゲームを特許の対象にすることもできそうです。請求項の書き方の参考になります。