今回は、ドアの解施錠システムについての発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、GPSやビーコンを利用した位置情報取得は精度が落ちることがある問題があります。
この発明のシステムは、コード画像から読み取ったコードと利用者情報で認証することで、機器を操作できる携帯端末を制限しながら、機器を適切に操作することができます。
GPSやビーコンを利用した位置情報取得は精度が落ちることがある問題
スマホなどの携帯端末を用いて、ドアの錠前を解錠および施錠するシステムがあります。
このシステムでは、スマホなどの携帯端末がドアの近くにある場合でなければ、鍵開閉装置の操作(つまり解錠または施錠)をすることができないように制限する必要があります。
スマホなどの携帯端末が、GPSやビーコンによって位置情報を得る技術がありますが、電波が届きにくいところでは、利用できない、または、精度が落ちるという問題があります。
コード画像から読み取ったコードと利用者情報で認証することで機器を制限
この発明のシステム(作動制御システム)は、対象機器から離れた場所ではその機器を操作できないように制限しながら、機器を適切に操作することができます。
スマホなどの携帯端末は、対象機器に付設されたコード画像(例えば、QRコードのような2次元コード)を撮像し、コード画像に含まれるコードと、利用者情報をサーバに送信します。
サーバは、コードと利用者情報を携帯端末から受信したら、利用者がその操作をする権限をもっているかどうか判断(認証)し、操作可能な場合には操作コマンドを携帯端末に送信します。
操作コマンドは、例えば、ドアを解錠または施錠するコマンドです。
スマホなどの携帯端末は、サーバから受信した操作コマンドを対象機器に送信することで、そのコマンドに従って作動させます。
このようにして、対象機器を作動させる携帯端末を、コード画像を撮像できる場所に存在する携帯端末に制限しながら、対象機器を作動させることができます。
特許第6837168号 株式会社リクルート
出願日:2020年3月24日 登録日:2021年2月10日
対象機器から離れた場所では該機器を操作できないように利用者の操作権限を制限できる作動制御システム及び作動制御方法を提供する。
【請求項1】
携帯端末と、該携帯端末と通信可能なサーバと、を備える作動制御システムであって、
前記携帯端末は、
対象機器の周辺に付設されたコード画像を撮像する撮像部と、
前記コード画像を撮像したとき、前記コード画像に含まれるコード情報と、前記携帯端末の利用者を識別可能な利用者情報とを、前記サーバに送信する第1 処理部と、
前記サーバから操作コマンドを受信したとき、該操作コマンドを前記対象機器に送信し、前記操作コマンドに応じて前記対象機器を作動させる第2 処理部と、を備え、
前記サーバは、
前記携帯端末から前記コード情報と前記利用者情報とを受信したとき、前記コード情報と前記利用者情報とに基づいて前記利用者の操作権限を認証し、操作可能と判断されたとき、前記操作コマンドを前記携帯端末に送信する認証処理部を備えた、
作動制御システム。
今日のみどころ
スマホなどで機器を操作する場合に、その機器の近くでなければ機器の操作をすることができないように制限します。機器に付されているコード画像を読み取ることができたスマホが、機器の近くにいる画像であると判断することができます。
通信できる場所を制限するのに、コード画像を利用するのは上手なアイデアだと思います。すばらしい。