今回は、POS端末に関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、災害時に各避難所で必要な物資を過不足なく揃えることが難しいという問題があります。
本発明では、災害時にPOS端末が入力に応じて商品を発注します。これにより、災害時に各避難所で必要な物資を過不足なく揃えることに寄与します。
災害時に各避難所で必要な物資を過不足なくそろえることが難しい問題
コンビニなどでPOS(Point of Sales)システムが利用されています。
一方、災害時等の物資の提供の際にPOSシステムを利用することが提案されています。
災害時に避難所にPOSシステムが設置される場合、避難所ごとに必要となる物資が異なるので、各避難所で必要な物資を過不足なく揃えることができないという問題があります。
災害時にPOS端末が入力に応じて商品を発注
この発明のPOS端末は、災害発生時に商品の発注をすることができ、各避難所で必要な物資を過不足なく揃えることに寄与します。
この発明のPOS端末は、災害に関する情報を受信することができます。災害に関する情報の例は、緊急地震速報です。緊急地震速報を受信すると、POS端末は、自装置のモードを災害モードに切り替えます。
そして、POS端末は、災害モードにおいて商品の発注情報の入力を受け付けます。例えば、発注情報は、商品名と数量などを含みます。その後、発注情報を管理サーバに送信します。
このようにすることで、POS端末は、災害時に入力された情報に基づいて商品の発注を行うことができ、避難所で必要な物資を過不足なく揃えることに寄与します。
特許第6863629号 NECプラットフォームズ株式会社
出願日:2020年1月14日 登録日:2021年4月5日
災害が発生した場合に端末装置から商品の発注を行うことが可能なPOS端末装置を提供する。
【請求項1】
商品を識別する商品IDと、商品の発注処理を行う災害モードにおいて発注可能であるか否かを識別するためのフラグと、を含む商品マスタを記憶する記憶部と、
外部からの入力を受け付ける入力部と、
災害に関する災害情報を受信する受信部と、
前記受信した災害情報に基づいて、自装置のモードを、商品の精算処理を行う通常モードから前記災害モードへ切り替える切替部と、
前記災害モードにおいて前記入力部で入力された、前記商品マスタに基づく発注情報を、ネットワークを介して管理サーバに送信する発注部と、を備えたPOS端末装置。
今日のみどころ
災害時に避難所にPOS端末を設置して物資の供給に役立てることを想定した、POS端末の発明です。
個々の要素技術はそれほど新しいとは言えないと思いますが、POS端末が緊急地震速報を受信することや、その緊急地震速報を受信したあとの処理が、新たな効果を奏することが認められて、特許になったと考えられます。
特に、個々の要素技術が新しいと認められにくい場合には、新たな効果を説明できるように明細書を作るのが大事ですね。勉強になります。