【特許紹介】太陽光パネルで電力供給し環境情報を検知できるガス検針ロボットの特許発明(Innovation Farm)を紹介

 今回は、ガス検針ロボットに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、通信機能付きのガスメータの電池交換作業コストが大きい問題があります。

 本発明では、太陽光パネルで電力供給し環境情報(温度、圧力、加速度等)を検知します。これにより、ガス検針ロボットは、電池交換などの作業コストを削減しながら、検針値の送信や制御とともに、環境情報や加速度の送信をすることができます。



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通信機能付きのガスメータの電池交換作業コストが大きい問題

 ガスメータが計測したガスの使用量や、ガスの緊急遮断弁の閉弁を、通信回線を経由して行うシステムがあります。

 このようなシステムは、検針作業を削減したり、災害時の安全に役立っています。

 上記システムでは、常時、無線通信を行うことができるようにするために電力供給がなされる必要があります。

 電力供給は、電池によりなされます。その場合、電池交換などの作業コストが大きいという問題があります。

太陽光パネルで電力供給し環境情報(温度、圧力、加速度等)を検知


 この発明の装置(ガス検針ロボット)は、電池交換などの作業コストを削減することができます。

 ガス検針ロボットは、外部との通信を行う無線機器を備えています。無線機器は、検針値の送信や、閉弁制御などの指示を受けるのに使われます。

 また、ガス検針装置は、電池と、太陽光発電パネルを備えており、電池と太陽光発電装置を用いて、自装置が駆動するのに必要な電力を供給します。

 さらに、ケーシングの内部に、環境センサ(温度、圧力、湿度等)や加速センサを備えており、環境情報や加速度を検知することができます。

 このようにすることで、ガス検針ロボットは、電池交換などの作業コストを削減しながら、検針値の送信や制御とともに、環境情報や加速度の送信をすることができます。

 特許第6541142号 Innovation Farm株式会社
 出願日:2019年4月8日 登録日:2019年6月21日

【課題】
電池交換等の作業コストを削減が可能なガス検針ロボットを提供する。
【請求項1】
 既設のガスメータと通信可能に接続され、無線通信を使用して外部機器と通信を行う通信機器を備えたガス検針ロボットであって、
 前記ガスメータとの間でガス指針値に関するデータの通信を行う通信線が接続される端子と、
 前記外部機器とデータの送受信を行う無線機器と、
 前記ガスメータ及び前記外部機器との間の信号の処理及びデータの記憶を行う制御部と、
 ガス検針ロボットを駆動する電池と、
 前記制御部及び前記電池を内部に収納し、前記無線機器及び前記端子を内部又は表面に設置するケーシングとを備え、
 前記ケーシング表面に太陽光発電パネルを備え、
 前記電池及び前記太陽光発電パネルは自身が駆動するための電力を供給し、
 前記ケーシングの内部に設置される大気の温度と、圧力と、湿度等の環境情報と、加速度との少なくともいずれか一つ以上に関する情報を検知可能なセンサをさらに備え、
 前記センサは、前記ケーシングの裏面に設けられた吸気口を介して導入された外気に関する情報を計測する、ガス検針ロボット。

今日のみどころ

 ガスメータの検針に用いられるロボットで、太陽光発電パネルと環境センサとを備えることが特徴です。

 この特許の図面をはじめて見たときは、このロボットの形がガスメータそのものに見えてしまいました。ガスメータにロボットが接続されている状態の図面があると、私にはよかったかもしれません。

 請求項1は、シンプルにかけていて良いと思います。各ガスメータの温度、圧力、加速度が計測できると、天気の急激な変化、地震、これらによる二次災害などの検出に役立ちそうですね。良い特許だと思います。