今回は、食材の管理に関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、食材に無線タグをつけて管理するのは実現可能性が低いという問題があります。
本発明では、料理に使用する食材や追加購入した食材の情報から、保有している食材を管理します。これにより、ユーザの負担なく、効率的に食材を管理することができます。
食材に無線タグをつけて管理するのは実現可能性が低い
食事のための食材を購入し、消費することが、日々繰り返されています。購入した食材のうち、消費しなかったものは、冷蔵庫などで保管され、別の料理に使われることもあります。
食材に無線タグをつけておいて、冷蔵庫などに取り付けられたタグリーダで無線タグを読み取って食材の管理に役立てる従来技術があります。
しかしながら、食品に無線タグをつけたり、冷蔵庫などにタグリーダを取り付けることは、実現する可能性が低いという問題があります。
料理に使用する食材や追加購入した食材の情報から、保有している食材を管理
この発明の装置(食材管理支援装置)によれば、ユーザの負担なく、効率的に食材を管理することができます。
まず、ユーザがレシピ情報を用いて料理をつくるときに、余剰食材と追加食材の情報を取得します。
余剰食材は、料理で余る食材です。追加食材は、今回の料理を作るためにユーザが新たに購入した食材です。
次に、余剰食材と追加食材の情報を用いて、既存食材と、消費済み食材の情報を取得します。
既存食材は、今回の料理の前からユーザが保有している食材で、レシピで使用する食材から、追加食材の分を差し引いた分として算出されます。
消費済み食材は、今回の料理で消費した食材で、既存食材と追加食材の合計から、余剰食材を差し引いた分として算出されます。
そして、このように得られた既存食材、追加食材、消費済み食材、および余剰食材を時系列で管理します。
このようにすることで、食材管理支援装置は、ユーザの負担なく、効率的に食材を管理することができます。
例えば、保有している食材で作ることができるレシピや、買い足す必要がある食材が少ない順でレシピを提案することができます(図7)。
特許第6867063号 ASSEST株式会社
出願日:2020年8月17日 登録日:2021年4月12日
ユーザの負担無く、当該ユーザが保有する食材の効率的な管理を可能とする。
【請求項1】
ユーザが利用するレシピ情報を記憶する記憶部と、
前記レシピ情報に基づく料理に関して、前記レシピ情報が示す食材情報をベースに、料理後に余った余剰食材の情報と新たに買い足した追加食材の情報とについて前記ユーザに確認し、当該余剰食材及び当該追加食材の各情報を所定の装置から取得する情報取得部と、
前記食材情報のうち前記追加食材を除く食材を、前記料理の実行前からユーザが保有している既存食材として特定し、前記既存食材および前記追加食材のうち、前記余剰食材を除く食材は、前記料理の実行で消費した消費済み食材として特定し、前記既存食材、前記追加食材、前記消費済み食材、および前記余剰食材の各情報を時系列で管理する特定部と、
を備える食材管理支援装置。
今日のみどころ
料理のレシピをうまく利用して、ユーザの食材の管理をする発明です。
料理で使用する食材の量と、その料理のためにユーザが購入した食材の量、その料理の後に余った食材の量などから、ユーザが保有している食材の量を管理することができます。
このような食材管理のアイデアは、ほかにもたくさんあります。発明の宝庫ともいえるのですが、なかなか決まったゴールがないというのも現状なのかなと思います。
冷蔵庫の中などの保存されている食材の管理は、いつの時代でもなかなか大変だからこそ、このようなアイデアが出ると思うのですが、どうしても限られた状況での応用にとどまってしまっているような気がしますね。