【特許紹介】ルータからの電力を充電できる蓄電池の電力で通知する電源装置の特許発明(NECプラットフォームズ)を紹介

 今回は、ルータの動作を監視する装置に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、ルータからの電源供給がなくなるとルータの電源を監視できなくなるという問題があります。

 この発明では、ルータからの電力を充電できる蓄電池を使って、電源供給がないときに通知します。これにより、ルータからの電源供給がなくなってもルータの電源を監視し、通知できるようになります。



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ルータからの電源供給がなくなるとルータの電源を監視できなくなる

 ルータの動作の異常を遠隔で監視するシステムがあります。

 このようなシステムでは、ルータの動作の異常を検知する小型の装置がルータに接続されます。小型の装置は、USBでルータから電力を供給されて動作し、ルータの異常を検知した場合に遠隔地にいるユーザに通知をします。

 しかし、ルータの電源異常が発生してしまうと、小型の装置に電力が供給されなくなり、ユーザへの通知をすることができなくなるという問題があります。

ルータからの電力を充電できる蓄電池を使って、電源供給がないときに通知


 この発明の電源装置は、監視対象のルータとUSBで接続されていて、さらに、通知をする装置(無線通信端末)ともUSBで接続されています。ルータと装置との間に挟まれた格好になっています。

 そして、電源装置は、ルータからUSBで電力を供給され、蓄電池に電力を蓄電します。また、蓄電池から電力をとりだして、通知をする装置に電力を供給します。

 さらに、ルータから供給される電力を監視し、供給される電力に異常が発生した場合に、ユーザへの通知をします。

 ここで、電源装置が蓄電池をもっていて、ルータからの電力供給がない状態でもユーザへの通知をできるようにしているのがポイントだと思われます。

 このようにすることで、ルータの電源異常が発生した場合でも、ユーザへの通知をすることができるようになります。

 特許第6687257号 NECプラットフォームズ株式会社
 出願日:2018年3月2日 登録日:2020年4月6日

【課題】
無線通信端末を介してルータの電源異常を通知することができる電源装置を提供する。
【請求項1】
 ルータと接続可能な第1USBインターフェイス部と、
 無線通信端末と接続可能な第2USBインターフェイス部と、
 前記ルータの電源異常を検知する検知部と、
 前記検知部が前記電源異常を検知した場合に、前記第2USBインターフェイス部を介して前記無線通信端末に前記電源異常を通知する通知部と、
 前記第1USBインターフェイス部を介して前記ルータから蓄電可能であり、かつ、前記第2USBインターフェイス部を介して、蓄電した電力を前記無線通信端末に給電可能である給電部と、を備える、
 電源装置。

今日のみどころ

 遠隔地からルータを監視する装置に関する発明です。

 ルータから給電された電力で動作するようになっているで、そのルータの電力供給の異常を外部に通知できないという問題を解決するために、蓄電池に充電した電力で動作するようになっています。

 動作環境がけっこう特殊な感じがしますが、解決方法はすごくシンプル。こういうパターンは、シンプルなアイデアで特許を取りやすいと思います。

 ちょっとわかりにくいですけどね。まあ、わかりやすくしない、つまり、わかりにくくしてあるのも1つの戦略かもしれません。