今回は、店舗で作業をするロボットに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、商品の陳列状態が良くないと販売機会損失するという問題があります。
本発明では、商品の陳列状態に乱れがあり、かつ、ロボットアームで商品を保持できる場合に、陳列状態を改善するように動作します。これにより、販売機会損失を招いてしまう陳列状態に対応することに寄与します。
商品の陳列状態が良くないと販売機会損失する問題
スーパーなどの店舗では、商品が陳列され、販売されています。商品の陳列が適切でないと、販売の機会が失われてしまいます(販売機会損失)。
従来、陳列エリアを撮影した画像から、陳列状態を評価するシステムがあります。
しかしながら、陳列状態を店舗スタッフに提示するだけでは、店舗スタッフが対応できない場合に、販売機会損失をしてしまうという問題があります。
商品の陳列状態に乱れがあり、ロボットアームで保持できる場合に、陳列状態を改善
この発明のシステム(ロボットシステム)は、販売機会損失を招いてしまう陳列状態に対応することに寄与します。
まず、陳列されている商品を撮影した画像から、陳列状態に乱れがあるか否かを判定します。
また、陳列されている商品の3次元空間における位置または形状から、商品をロボットアームで保持することができるか否かを判定します。
そして、陳列状態に乱れがあり、かつ、商品をロボットアームで保持することができる場合に、ロボットアームを用いて陳列状態の乱れを改善します。
請求項にはロボットアームしか登場しませんが、実施の形態には、ロボットアームを備えたロボットの図もあります。ロボットは、店舗内を走行しながら商品の陳列状態をチェックして、改善できる場合に、ロボットアームを用いて陳列状態を改善します。
特許第6864242号 キヤノンマーケティングジャパン株式会社
出願日:2019年6月21日 登録日:2021年4月6日
販売機会損失を招いてしまうような陳列状態にいち早く対応することが可能な仕組みを提供する。
【請求項1】
商品を保持可能なロボットアームを備えるロボットシステムであって、
陳列された商品を撮影する撮影手段と、
前記撮影した商品の陳列状態に乱れがあるか否かを判定する乱れ判定手段と、
前記陳列された商品の3次元空間の位置又は形状を認識する認識手段と、
前記認識した前記陳列された商品の前記位置又は形状に従って、前記陳列された商品が前記ロボットアームで保持可能かを判定する判定手段と、
前記乱れ判定手段で陳列状態に乱れがあると判定され、かつ、前記判定手段で保持可能であると判定された前記陳列された商品を、前記ロボットアームを用いて前記陳列状態の乱れが改善するように並べ替える並替手段と、
を備えることを特徴とするロボットシステム。
今日のみどころ
商品の陳列を改善するロボットシステムの発明です。
請求項に記載されていることはとてもシンプルです。
とくに、商品をロボットアームで保持できるか否かを判定するという1ステップがはさまっているのが、面白いところです。あたりまえだと思ってしまったり、価値がない処理だと思ってしまったりすると、特許をとれない結果になってしまうかもしれません。
うまく権利化できていると思います。