【特許紹介】超音波を受信した端末同士を対応付けてフレンド登録する特許発明(任天堂)を紹介

 今回は、スマホのフレンド登録に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、近くの端末を対応する方法に改善の余地があります。

 この発明では、非可聴音(超音波)を受信した端末同士を対応付けて登録(フレンド登録)します。これにより、位置情報を利用するより簡易な方法でフレンド登録することができます。



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近くの端末を対応する方法に改善の余地あり

 スマホなどの端末が所定の位置関係にある(例えば近くにある)場合に、それらの端末を対応付けてサーバに記憶するシステムがあります。

 従来は、このようなことを実現するために端末の位置情報を利用していました。

 しかし、従来技術では、位置情報を検出する必要があり、より簡易な方法とするために改善の余地がありました。

非可聴音(超音波)を受信した端末同士を対応付けて登録


 この発明のシステムは、位置情報を利用するより簡易な方法で、端末同士、つまりユーザ同士をサーバに対応付けて登録することができます。

 第一端末と第二端末の2つの端末は、サーバを介して通信できる状況であり、また、近くにいるとします。
 
 第一端末は、第一ユーザの識別情報を非可聴音で送信し、さらに、可聴音も出力します。

 非可聴音というのは、人間の耳には聞こえない音で、例えば超音波です。可聴音というのは、人間の耳に聞こえる音です。

 また、第一端末は、第二端末から非可聴音で、第二ユーザの識別情報を受信したら、サーバと通信をします。

 第二端末は、第二ユーザの識別情報を非可聴音で送信します。また、第二端末は、第一端末が送信する識別情報を受信したら、サーバと通信をします。

 サーバは、第一端末と第二端末が互いに非可聴音で識別情報を受信したら、第一端末と第二端末を対応付けて登録します。

 さらに、第一端末は、非可聴音と可聴音を出力する前に、音量を調整する機能をもっています。

 これにより、サーバは、非可聴音をやりとりすることができた第一端末と第二端末とを対応付けて登録することができます。第一端末が可聴音を出力することでユーザに、非可聴音が出力されていることを認識させることもできます。

 特許第6720132号 任天堂株式会社
 出願日:2017年12月27日 登録日:2020年6月19日

【課題】
簡易な方法によりユーザを識別するための識別情報を送信または受信し、各識別情報を用いてユーザ同士を関連付けてサーバに記憶させる。
【請求項1】
 第1ユーザにより操作される第1端末と、第2ユーザにより操作される第2端末と、前記第1端末および前記第2端末と通信可能なサーバとを含む情報処理システムであって、
 前記第1端末は、
  スピーカから非可聴音を出力することにより、前記第1ユーザを識別可能な第1識別情報を送信する第1識別情報送信手段と、
  前記非可聴音を用いて前記第1識別情報を送信する場合、スピーカから第1可聴音を出力する第1可聴音出力手段と、
  非可聴音を用いて、前記第2端末から前記第2ユーザを識別可能な第2識別情報を受信する第2識別情報受信手段と、
  前記第2端末から前記第2識別情報を受信したことに基づいて、前記サーバと通信を行う第1通信手段と、を備え、
 前記第2端末は、
  スピーカから非可聴音を出力することにより、前記第2識別情報を送信する第2識別情報送信手段と、
  非可聴音を用いて、前記第1端末から前記第1識別情報を受信する第1識別情報受信手段と、
  前記第1端末から前記第1識別情報を受信したことに基づいて、前記サーバと通信を行う第2通信手段と、を備え、
 前記サーバは、
  前記第2識別情報受信手段により前記第1端末において前記第2識別情報が受信され、かつ、前記第1識別情報受信手段により前記第2端末において前記第1識別情報が受信された場合に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを用いて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段を備え、
 前記第1端末は、
  前記非可聴音及び前記第1可聴音の出力を開始する前に、音量に関する表示を行い、
  前記第1ユーザの操作に応じて前記音量を調整する音量調整手段をさらに備える、情報処理システム。

今日のみどころ

 近くにあるスマホ同士をサーバに対応付けて登録するというアイデアです。超音波を使ってスマホ同士が近くにいることを判定します。

 「サーバに対応付けて登録」というとわかりにくいかもですが、まあ、いわゆる友達としての登録とかですね。実施の形態には、フレンド要求、フレンド登録という言葉を使って分かりやすく説明されていますので、読んでみてください。