【特許紹介】通信環境が悪いところでは長い周期で通信することで通信の無駄を省くドライブレコーダの特許発明(コムテック)を紹介

 今回は、ドライブレコーダの通信に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、ドライブレコーダとサーバの通信に無駄が生ずる問題があります。

 この発明では、ドライブレコーダとサーバの通信周期を制御します。これにより、ドライブレコーダとサーバとの通信の無駄を抑制します。



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 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

ドライブレコーダとサーバの通信に無駄が生ずる問題

 車両の周囲を撮影するドライブレコーダが利用されています。

 ドライブレコーダが撮影した映像データをセルラー通信網(携帯電話の回線)によってサーバ装置に転送し、その映像データを利用者端末(スマホやパソコン)に提供する技術があります。

 ドライブレコーダは車両とともに移動するので、通信環境が悪い位置に位置することもあります。この場合、ドライブレコーダの映像データをサーバに送信するのに、余分な通信や無駄な通信が発生してしまうことがあるという問題があります。

ドライブレコーダとサーバの通信周期を制御して通信の無駄を抑制


 この発明のドライブレコーダは、映像データを効率的にサーバに提供することができます。

 まず、ドライブレコーダは、周期的にサーバに問い合わせ処理を行います。問い合わせ処理は、端末からのリクエスト信号がサーバに届いているか否かを問い合わせる処理と言えます。

 もしリクエスト信号がサーバに届いている場合には、ドライブレコーダは、応答データ(撮影データ)をサーバに送信します。送信したデータは、サーバを介して端末に送信されます。

 そして、ドライブレコーダは、問い合わせ処理の周期を、自装置の環境に応じた周期に設定します。

 このようにすることで、ドライブレコーダは、映像データを効率的にサーバに提供することができます。

 問い合わせの周期は、例えば、通信環境が悪い(通信の失敗による再送などが発生する可能性が高い)ときは長く、通信環境が良いときは短く設定されます。このようにすることで、通信負荷を抑えながら要求に応じたデータを迅速にサーバおよび端末に提供できます。

 特許第6782508号 株式会社コムテック
 出願日:2018年7月31日 登録日:2019年5月24日

【課題】
ドライブレコーダ内のデータを通信により外部に効率的に提供する。
【請求項1】
 車両に搭載される通信機能を有したドライブレコーダであって、
 サーバ装置に対する問合せ処理の実行により、前記サーバ装置が利用者端末装置から受信した前記ドライブレコーダに対するリクエスト信号を説明する受信リクエストデータを取得するように構成されるデータ取得部と、
 前記データ取得部により取得された前記受信リクエストデータに基づき、前記リクエスト信号に対する前記利用者端末装置向けの応答データを前記サーバ装置に送信するように構成される応答部と、
 前記問合せ処理の実行周期である問合せ周期を設定するように構成される設定部と、
 を備え、
 前記設定部は、前記ドライブレコーダの環境に応じた周期を前記問合せ周期に設定し、
 前記データ取得部は、前記設定部により設定された前記問合せ周期で、前記問合せ処理を実行し、前記受信リクエストデータを前記サーバ装置から取得するドライブレコーダ。

今日のみどころ

 ドライブレコーダの通信に関する技術です。

 特許のキモの部分は、送信周期を設定するところで、その部分自体は、それほど新しいとは言えないと思います。でも、ドライブレコーダとサーバと端末とが登場して通信することまで記載すると、新しさが出てくると思います。

 原則的には、いろいろな技術要素の組合せのなかから新しい部分を抜き出してそこを特許のコアにし、それ以外の部分をなるべく省くのが、広い特許をとるためのテクニックです。

 でも、特許をとるほうにこだわるなら、新しい部分の抽出をほどほどにして、技術のわかりやすさのための記載を入れておくという戦略もありです。