【特許紹介】フィギュア型のタグを近づけるとキャラクタがゲームに登場する特許発明(任天堂)を紹介

 今回は、ゲームと近距離無線通信(NFC)に関するを紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、NFC通信する記憶媒体(タグ)の汎用性が低いという問題があります。

 本発明では、フィギュア型のタグとNFC通信するとキャラクタがゲームに登場します。このようにすることで、記憶媒体(タグ)の汎用性を向上させています。



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NFC通信する記憶媒体(タグ)の汎用性が低い

 情報処理装置(パソコンやゲーム機)と、NFCなどの近距離無線通信によって通信する記憶媒体があります。

 従来、記憶媒体は、特定のアプリケーションプログラムやゲームに利用されるだけであり、それほど汎用的に利用されていませんでした。近距離無線通信の記憶媒体をタグともいいます。

 このように、記憶媒体(タグ)の汎用性が低いという問題がありました。

フィギュア型のタグとNFC通信するとキャラクタがゲームに登場


 この発明のシステム(情報処理システム)では、記憶媒体が、より汎用的に利用されます。

 システムは、情報処理装置(ゲーム機)と、その情報処理装置(ゲーム機)と近距離無線通信によって通信する記憶媒体(タグ)をもっています。

 記憶媒体(タグ)の外観が、情報処理装置(ゲーム機)が特定のアプリケーション(ゲーム)を実行することで登場するキャラクタの外観になっています。言い換えると、記憶媒体(タグ)が、そのキャラクタの形をしているとうことです。フィギュア型のタグになっている、ともいえます。

 情報処理装置は、その記憶媒体から識別情報を近距離無線通信で読み取ります。

 そして、情報処理装置は、読み取った識別情報が、そのアプリケーションで登録されているものであった場合には、そのキャラクタがアプリケーション(ゲーム)上に登場させます。

 このようにすることで、記憶媒体のキャラクタを、ゲーム上に登場させることができ、汎用性が向上します。

 特許第6649453号 任天堂株式会社
 出願日:2018年10月23日 登録日:2020年1月20日

【課題】
、記憶媒体をより汎用的に利用する。
【請求項1】
 記憶媒体と、当該記憶媒体と近距離無線通信を行う情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
 前記記憶媒体は、
  前記情報処理装置が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される仮想空間に登場するオブジェクトを立体的または平面的に表す外観を有し、
  前記オブジェクトの第1識別情報と、当該オブジェクトが登場する複数種類のアプリケーションが属するグループの第2識別情報とを記憶し、
 前記情報処理装置は、
  アプリケーションプログラムの実行中において、前記記憶媒体から読み出された第1識別情報が実行中のアプリケーションプログラムにおいて登録された値であるか否かを判定する第1判定手段と、
  前記記憶媒体から読み出された第2識別情報が前記実行中のアプリケーションプログラムにおいて登録された値であるか否かを判定する第2判定手段と、
  前記記憶媒体から読み出された第1識別情報および第2識別情報の少なくともいずれかが前記実行中のアプリケーションプログラムにおいて登録された値である場合、当該アプリケーションプログラムにおいて前記オブジェクトを仮想空間に登場させる処理を実行する処理実行手段とを備える、情報処理システム。

今日のみどころ

 ゲームのキャラクタの形(フィギュア)をした記憶媒体(タグ)をゲーム機に近づけると、そのキャラクタがゲーム内に登場するという、とても楽しそうな光景がイメージできる技術ですね。

 このようなイメージを具体的に実現させようと思えば、この発明のような技術を思いつく人は多いと思うのですが、そのイメージに行き着くかどうかがポイントですね。あと、お金を出して、この技術を特許で守ろうと思うかどうかというところも。

 ゲームの事業をしている会社ならではの特許ともいえそうです。