今回は、携帯ゲーム装置の拡張装置についての発明を紹介します。任天堂の3DSの拡張スライドパッドに関連した特許だと思われます。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、コネクタがない携帯装置に周辺装置を接続できない問題があります。
この発明では、携帯ゲーム装置に着脱可能な周辺装置で、切り欠きと左手操作ボタンをもっています。これにより、コネクタを用いずに携帯ゲーム装置に機能を追加することができます。
コネクタがない携帯装置に周辺装置を接続できない問題
携帯装置に機能を付加する周辺装置があります。携帯装置の例は携帯型のゲーム装置(ゲーム機)です。付加される機能の例は、操作機能です。
つまり、ゲーム装置に、新たな操作機能のためのボタンなどを付加する周辺装置があります。
ゲーム装置に周辺装置を接続する場合、コネクタを用いる方法が一般的です。コネクタを有しない携帯装置には、周辺装置を接続できないという問題があります。
携帯ゲーム装置に着脱可能で、切り欠きと左手操作ボタンをもつ周辺装置
この発明の周辺装置では、コネクタを用いずに携帯ゲーム装置に機能を追加することができます。
この周辺装置は携帯ゲーム装置に着脱可能になっていて、ユーザの右手で操作される操作部と、ユーザの左手で操作される操作部とがあります。
右手で操作される操作部の例は、スライドパッド57a、操作ボタン57b、ZRボタン57dだと考えられます。
左手で操作される操作部の例は、ZLボタン57cだと考えられます。
また、操作部に対してユーザがした操作を、赤外線または電波無線で携帯ゲーム装置の本体に送信する通信部があります。
周辺装置は、携帯ゲーム装置本体の側面を覆う壁を有していますが、その壁には、携帯ゲーム装置のボタンなどを外部に露出させる切り欠きがあります。外部に露出されるボタンなどは、具体的には、Lボタン、音量調整スイッチ、Rボタン、音声出力端子です。
このようにすることで、携帯ゲーム装置のボタンなどの操作を可能としながら、追加の操作をすることができるボタンを増設する拡張をすることができます。
特許第6615944号 任天堂株式会社
出願日:2018年6月5日 登録日:2019年11月15日
コネクタを用いずに携帯装置に接続することが可能な周辺装置等を提供する。
【請求項1】
画面を有する携帯ゲーム装置に対して着脱可能な周辺装置であって、
ユーザが前記周辺装置を両手で把持した状態において、当該ユーザの右手の指で操作可能な第1操作部と、
前記ユーザが前記周辺装置を両手で把持した状態において、当該ユーザの左手の指で操作可能な第2操作部と、
前記第1操作部および前記第2操作部に対する操作を表す操作データを前記携帯ゲーム装置へ赤外線通信および/または無線通信によって送信する通信部と、
前記携帯ゲーム装置を着脱可能に支持する支持部とを備え、
前記支持部は、前記周辺装置が前記携帯ゲーム装置に装着された状態において当該携帯ゲーム装置の面に対向する面であって、当該携帯ゲーム装置の面に設けられる所定の部材が露出するように切り欠きが形成される面を有し、
前記第2操作部は、前記支持部によって支持される前記携帯ゲーム装置を正面から見たときに当該携帯ゲーム装置の左上に位置する側面に設けられる、周辺装置。
今日のみどころ
図1のとおり、携帯ゲーム装置であるNintendo 3DSの拡張スライドパッドに関連した特許と考えられます。
右手、左手で操作可能なボタンと、ゲーム装置本体の側面のボタンなどを隠さないように切り欠きを有しているという構成で、特許をとることができています。
切り欠きやZLボタンを備えているという特徴で進歩性が認められているようです。
ゲーム装置本体の側面のボタンなどの機能を生かそうとすると切り欠きを作ることや、ボタンを左上の位置に配置することはそれほど斬新とも思われませんが、進歩性の説明を上手にすることで、進歩性が認められていると思います。勉強になります!