【本紹介】QRコード(二次元バーコード)の本紹介「QRコードの奇跡:モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ」

(注:当サイトのURLを含んでいるQRコード)

 QRコード(二次元バーコード)が、世の中のいろいろなところで使われています。

 QRコードは、白黒の小さな四角形が集まったもので、情報が収められています。人間にはわかりませんが、スマホのカメラで撮影すると、その情報を読み取っていろいろな処理をすることができます。

 QRコードにどうやって情報が記録されているのか、だれがどうやって開発したのか、知りたいですよね。

 この記事では、QRコードについて、その開発、発展、進化などについてまとめられた書籍を紹介します。

 この本を読むと、QRコードのいろいろな側面を知ることができます。QRコードにちょっとでも興味をもったことがある人は、読んでみてください。



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

QRコード(二次元バーコード)が使われています

 QRコード(二次元バーコード)が、世の中のいろいろなところで使われています。

 QRコード(二次元バーコード)は、もともと、工場などでの物品の管理のために開発されたのですが、一般の人にとっては、インターネットのウェブサイトにアクセスする使い方が有名になったと思います。

 携帯電話にカメラが搭載されるようになって、世の中の多くの人が常にカメラを持ち歩くようになったことで、QRコードを利用する土台ができたという事情もあったように思います。

LINEの連絡先の交換、QRコード決済にも使われています

 ここ数年では、通話アプリLINEの連絡先の交換に使われることもありました。スマホ同士で情報を渡すのに、電波の無線通信を使うよりも、直感的にわかりやすいという理由もあるのかもしれません。

 ガラケーからスマホに移行するときには、QRコードをメールでガラケーに送信して、ガラケーに表示させたQRコードをスマホで読み取るという使い方もありました。

 また、PayPayなどの電子マネー決済、いわゆるQRコード決済に使われることもあります。

本『QRコードの奇跡:モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ

 そんなQRコードについて、その開発、発展、進化などについてまとめられた書籍が「QRコードの奇跡:モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ」です。

 章立てはこのようになっています。
 

第1章 源流――アナログかんばんから電子かんばんへ
第2章 開発――思索から実践へ
第3章 標準化――国内単一業界から国際多業界へ
第4章 進化――企業ユーザーだけでなく消費者も
結章 QRコードを通じて経営を考える――革新の神の宿るところ

 各章についてとても充実しています。とうてい全部を紹介しきれないのですが、私が気になったことだけちょっと書いておきます。

 第1章では、QRコードが開発された背景などの情報が記載されています。QRコードは、もともと、トヨタ自動車の有名な「かんばん」を電子化するために開発されたことが記載されています。油まみれになっても消えないコード、どんなものでも読めるリーダなどの開発の背景などもわかります。

 第2章では、いまのQRコードのパターンがどのように開発されたかが記載されています。コードの目印となる隅の図形(ファインダパターン)、そのシンボルの黄金比1:1:3:1:1が決まったわけなども記載されています。ちなみに、QRコードのQRは、"Quick Response"から来ています。

 第3章では、QRコードの標準化について、自動車分野での標準化、自動車分野を離れて日本工業規格(JIS)になり、また、アメリカへ、そして世界へと、外国での国際的な標準化の道もあることが述べられています。

 第4章では、QRコードの進化した使い方として、携帯電話、飛行機の搭乗、電車の駅のホームドア、QRコード決済の例が述べられています。QRコードが各業界での課題を上手に解決できたことがわかります。特に携帯電話(ガラケー)やスマホでQRコードを読み取ることでウェブサイトにアクセスできるという機能が一般の人に注目されたのが大きかったのだと思います。技術だけでなく、開発者が丁寧に、一生懸命に、顧客の課題解決のために課題を解決していくことで、QRコードの進化に貢献したことがわかります。

 結章では、QRコードの開発から進化への流れから学べる、経営についての考えについて述べられています。

 それぞれ細かく記載されているので全部読むのは大変ですが、興味があるところからどんどん読んでいくといいですね。夢中で読んでしまいますよ。

QRコードは誰でも好きな情報を入れて作れます


 ちなみに、QRコードは、会社じゃないと作れないというわけではなくて、個人でも、だれでも、好きな情報を入れて作ることができます。

 インターネット上でQRコードを作れる無料のサービスもあります。好きな文字を入れたQRコードを作ってスマホで読み込んでみるとおもしろですよ。遊びながらQRコードの仕組みを学べます。

 右に示しているのが、当サイトのQRコードです。中央に文字やアイコンを入れたバージョンも作れます。白黒だけではなく、いろいろな色のものを作れます。

 文字を入れたQRコードも、技術的にとても面白いしくみでできているんです。すごい!おもしろい!

QRコードに関する特許の紹介

 当サイトでは、QRコードに関する特許の紹介もしています。当サイトでは紹介しているQRコードに関する特許の一覧はこちらです。

 特許にはQRコードの技術ポイントが詰まっています。明細書まで読むと、発明者が考えている思考まで読み取れることもあります。技術開発をしている人には、とてもよい勉強道具になりますよ。一緒に勉強してみてください!

今日のみどころ

 QRコードについての本「QRコードの奇跡:モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ」を紹介しました。

 QRコードのように、世の中のいたるところでみられるようになったマークは、世の中の景色を変えてしまうものといえますよね。もし、世界中で使われるコードを作る仕事に携わることができたら、素敵だなと思います。