今回は、自宅車両のトランクで荷物を受け取るサービスについての発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、自宅車両のトランクで荷物を受け取るサービスで施錠をし忘れる問題があります。
この発明では、解施錠の認証の有効期間が満了するまでの間に施錠がされなかった場合に通知を行います。これにより、施錠をし忘れる問題を解消します。
自宅車両のトランクで荷物を受け取るサービスで施錠をし忘れる問題
自宅への配達物を、自宅に停めてある車両のトランクに入れてもらうことで受け取るサービスがあります。荷受用の車両のトランクで配達物の受け渡しを行うことができます。
この場合、配達担当者が車両を解錠してから、荷物をトランクに入れ、その後に施錠することが求められます。
しかし、配達担当者が車両を施錠するのを忘れてしまうことがあるという問題があります。
施錠をし忘れると携帯端末に通知をする
この発明のシステム(施解錠システム)では、荷物の配送完了後に確実に車両の施錠がなされるようにします。
このシステムでは、配達担当者の携帯端末は、車両の解施錠をするための認証を受けていて、無線で車両と通信してその車両の解錠と施錠をすることができるることを前提としています。
その認証には有効期間(有効期限)が定められています。
車両の解錠をした場合には、携帯端末が車両の解錠を行ってからその認証の有効期間が満了するまでの間に車両の施錠がなされるかどうかを確認します。
そして、認証の有効期間が満了するまでの間に施錠がされなかった場合に、通知を行います。通知先の一例は、配達担当者の携帯端末です。
このようにすることで、施錠のし忘れがあったときに通知がなされるので、荷物の配送完了後に確実に車両の施錠がなされるようになります。
特許第6525042号 トヨタ自動車株式会社
出願日:2017年11月20日 登録日:2019年5月17日
携帯端末によって施解錠が可能な領域の施錠を確実に行わせる。
【請求項1】
有効期間を伴って認証された携帯端末から取得した施解錠指示情報に基づいて施解錠を行う車両の施解錠の状態を取得し、
前記車両が前記携帯端末から取得した前記施解錠指示情報に基づいて解錠を行ってから、第一のタイミングまでの間に前記車両が施錠されなかった場合に、前記車両に関連付いた第一の装置へ通知を行う制御部を有し、
前記第一のタイミングは、前記認証の有効期間が満了するタイミングに基づいて予め設定されたタイミングである、
施解錠システム。
今日のみどころ
不在時に宅配便を車両のトランクで受け取るというサービス形態での、施錠のし忘れを防止する発明です。このようなサービス形態が普及するとすれば、このような発明も必要になってきそうですね。
新しい発明をするときに、現状をベースとして考えるとなかなかアイデアが出ないときがあります。そのようなときには、現状から一歩進んだ未来を想定して、そこででてきている課題を解決する発明を考える、というやり方もあります。
特許を量産したいときにはいいですね。