【特許紹介】カーシェアリングの車両の貸出返却か解施錠をビーコンに応じて適切にする特許発明(トヨタ自動車)を紹介

 今回は、カーシェアリングの車両の制御に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、車両の貸出返却のためにGPSを用いるとコストがかかる問題があります。

 この発明では、ステーションと車両それぞれのビーコンを用いて車両の貸出返却または解施錠をします。これにより、GPS受信器などを用いずに車両とステーションとの紐付けを確認することができます。

車両の貸出返却のためにGPSを用いるとコストがかかる問題

 車両を複数の利用者で共用するカーシェアリングのシステムがあります。

 カーシェアリングシステムには、車両の貸出をしたステーションに返却をする「ラウンドトリップ型」と、車両の貸出をしたステーションとは異なるステーションに返却をする「ワンウェイ型」があります。

 車両が返却されるべきステーションに返却されているかどうかを判別することが必要ですが、そのために、GPSなどを用いると、コストがかかるという問題があります。

ステーションと車両それぞれのビーコンを用いて車両の貸出返却または解施錠


 この発明のカーシェアリングシステムでは、GPS受信器などを用いずに低コストで、車両とステーションとの紐付けを行うことができます。

 具体的には、カーシェアリングのステーションと車両とにそれぞれビーコン(第一のビーコン、第二のビーコン)が設置されています。
 
 利用者の端末は、これらのビーコンから信号を受信できるようになっていて、第一のビーコンを受信したら第一のデータをサーバに送信し、第二のビーコンを受信したら第二のデータをサーバに送信します。

 サーバは、第一のデータと第二のデータの両方を受信した場合には、車両の貸出または返却の処理をします。また、第二のデータのみを受信した場合には、車両の施解錠をします。

 つまり、端末が車両とともにステーションにあるときには車両の貸出または返却の処理をし、端末が車両と同じ位置にあるけどステーションとは異なる位置にあるときには、車両の施解錠をします。

 このようにすることで、GPS受信器などを用いずに車両とステーションとの紐付けを確認することができます。

 特許第6662965号 トヨタ自動車株式会社
 出願日:2018年8月8日 登録日:2020年2月17日

【課題】
カーシェアリングシステムにおいて、車両とステーションとの紐付けを低コストで行う。
【請求項1】
 カーシェアリングのステーションに設置される第一のビーコンと、
 前記ステーションにおいて貸し出される車両に設置される第二のビーコンと、
 予約情報を記憶し、車両の貸し出しを管理するサーバ装置と、
 利用者が所持するユーザ端末と、を含むカーシェアリングシステムであって、
 前記ユーザ端末は、
 前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記ステーションを識別する第一のデータを前記サーバ装置に送信し、
 前記第二のビーコンから情報を受信した場合に、前記車両を識別する第二のデータを前記サーバ装置に送信し、
 前記サーバ装置は、
 (1)前記第一のデータおよび第二のデータの双方を前記ユーザ端末から受信した場合に、該当する車両の貸し出しまたは返却処理を実行し、
 (2)前記第二のデータのみを前記ユーザ端末から受信した場合に、貸し出し中である前記車両について、返却処理を行うことなく、前記車両を一時的に施解錠するための指令を送信する、
 カーシェアリングシステム。

今日のみどころ

 カーシェアリングシステムで車両の貸出返却と施解錠とを、ビーコンを使うことによって、GPSを使わずに低コストでできるようにする発明です。

 ビーコンと端末とサーバとの処理をシンプルに記述することができていると思います。ユーザ端末が、システムの構成要素になってしまっているところが、ちょっと気になるところではあります。