【特許紹介】無線通信でトリガ信号を送信・受信して広告提供タイミングを同期する表示装置の特許発明(ヒット)を紹介

 今回は、広告を表示するシステムに関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、ケーブルを配設するスペースがないと複数の表示装置を導入できないという問題があります。

 この発明では、無線通信でトリガ信号を送信・受信して広告提供タイミングを同期します。これにより、ケーブルの配設の点で配置の自由度を狭めることなく、複数の通信装置間で再生タイミングを同期させることができます。



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ケーブルを配設するスペースがないと複数の表示装置を導入できない

 複数のディスプレイなどの表示装置を用いて広告を提供するシステムがあります。

 このようなシステムでは、複数の表示装置が表示する広告のタイミングがずれると、十分な広告効果が得られません。そこで、複数の表示装置は、同期して広告を提供することが望まれます。

 しかし、広告提供のタイミングの同期のために複数の表示装置を通信回線で結ぼうとすると、ケーブルを配設するための領域が必要になります。そのような領域を確保できないとシステムを導入できないという問題あります。

無線通信でトリガ信号を送信・受信して広告提供タイミングを同期


 この発明の通信装置は、通信装置の配置の自由度を狭めることなく、広告を提供するタイミングを調整することができます。

 通信装置は、他の通信装置に設けられたセンサが通行人を検出した場合に、無線通信でトリガ信号を受信します。トリガ信号を受信したら他の通信装置と同期したタイミングを決定して、そのタイミングにコンテンツを同期再生します。

 また、通信装置は、自装置に設けられたセンサが周囲の領域に通行人を検出した場合に、無線通信でトリガ信号を送信します。これにより、他の通信装置との間で同期したタイミングを決定して、そのタイミングにコンテンツを同期再生します。

 このように、無線通信でトリガを受信することで他の通信装置と同期することができ、また、無線通信でトリガを送信することで他の通信装置と同期することもできます。

 これにより、ケーブルの配設の点で配置の自由度を狭めることなく、複数の通信装置間で再生タイミングを同期させることができます。なお、特許が認められているのは、実施の形態2のアイデアだと考えられます。

 特許第6691186号 株式会社ヒット
 出願日:2018年9月27日 登録日:2020年4月13日

【課題】
 通信装置の配置自由度を狭めることなく、通信装置が広告を提供するタイミングを好適に調整する仕組みを提供する。
【請求項1】
 他の通信装置と連携してコンテンツを提供する通信装置であって、
 前記他の通信装置に設けられたセンサが通行人を検出した場合に、無線通信を介して前記他の通信装置からのトリガ信号を受信する受信手段と、
 前記他の通信装置から受信した前記トリガ信号に基づいて、前記通信装置を含む所定の領域内に配置された他の通信装置と同期したコンテンツの提供タイミングを決定する決定手段と、
 決定した前記提供タイミングに、前記コンテンツを再生する再生手段と、
  前記所定の領域内の所定の範囲内に通行人が存在していることを検出するセンサと、
  前記センサで通行人を検出した場合に、前記無線通信を介して前記通信装置からのトリガ信号を前記他の通信装置に送信する送信手段と、
 を備えることを特徴とする通信装置。

今日のみどころ

 複数の表示画面に同期して映像を再生するための発明です。

 トリガ信号を受信して他の通信装置と同期する機能とともに、トリガ信号を送信することで他の通信装置を同期させる機能ももっているのがポイントです。シンプルなアイデアでいいと思います。