【特許紹介】マイカースポンサーの特許発明(オートプラス)を紹介/自動車のリアガラスに掲示した広告の効果を評価

 今回は、自動車に掲示する広告に関する特許を、通信技術が得意な私が紹介させていただきます。マイスポンサーとしてサービスされています。

 従来、自動車に掲示された広告の効果を評価することが難しいという問題があります。

 この発明では、自動車のリアガラスに提示した広告を車内から撮影した画像に映っている車や人から効果を評価します。これにより、広告の効果を適切に評価することができます。



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

自動車に掲示された広告の効果を評価することが難しい問題

 自動車に広告を掲示することが行われています。一般には、トラック、バス、タクシーの荷台や車体に広告が掲示されます。また、大型のディスプレイを備える広告宣伝車も普及しています。

 また、自家用車に広告を掲示することもあり、高い広告効果が得られる期待もあります。

 しかしながら、自動車に掲示された広告の効果を評価することが難しいという問題があります

自動車のリアガラスに提示した広告を車内から撮影した画像に映っている車や人から効果を評価


 この発明のシステム(広告効果評価システム)では、自動車に掲示した広告の広告効果を評価することができます。

 広告は、リアガラスに張り付けられることが想定されています。そして、ドライブレコーダなどのカメラで車室内からその広告を撮影します。撮影された画像は、広告とともに、リアガラスを通してリアガラスの向こうの風景として、他の自動車や人が映っています。

 そして、その画像に広告とともに映っている他の自動車や人の状況を画像処理によって認識します。認識の結果、他の自動車や人の状況に基づいて広告効果を評価します。

 このようにして、自動車に掲示された広告の効果を評価することができます。

車内から撮影した画像に映っている車や人が多いほど効果大

 広告効果の評価では、例えば、他の自動車や人が撮影されている頻度が大きいほど広告効果が大きいと評価されます。これは、多くの自動車の運転手や歩行者に広告が見られたと考えられるためだと考えられます。

 また、広告効果の評価では、例えば、撮影されている他の自動車や人の遠近の度合いに基づいて、他の自動車や人が近いほど広告効果が大きいと評価されます。これは、自動車の運転手や歩行者に近くから広告が見られたと考えられるためだと考えられます。

 また、広告効果の評価では、例えば、撮影されたときの自動車の速度の度合いに基づいて、自動車の速度が低いほど広告効果が大きいと評価されます。これは、ゆっくり走る自動車に提示された広告のほうが、自動車の運転手や歩行者から見られたと考えられるためだと考えられます。 

 特許第6475384号 株式会社オートプラス
 出願日:2018年6月29日 登録日:2019年2月8日

【課題】
自動車を含む風景が撮像された画像に基づいて、当該自動車に掲示された広告物による広告効果を評価するための技術を提供する。
【請求項1】
 画像を撮像し、その撮像された画像を記録するように構成された記録装置によって自動車の少なくとも一部を含む風景が撮像された少なくとも1 つの画像を含む撮像データを、通信ネットワークを介して取得するように構成された取得部と、
 前記取得部により取得された撮像データに含まれる画像の中から、前記自動車の当該画像内に写っている部位に掲示されている特定の広告物の設置状況を認識するように構成された画像認識部と、
 前記画像認識部により認識された広告物の設置状況に基づいて、当該広告物による広告効果に関する評価を決定するように構成された評価決定部とを備え、
 前記記録装置は、前記自動車の車室内から当該自動車の窓を通して車外の風景を撮像し、その撮像された画像を記録するように構成されており、
 前記画像認識部は、更に、前記画像に写っている他の交通移動体及び人物の少なくとも何れかの対象物に関する状況を認識するように構成されており、
 前記評価決定部は、前記画像認識部により認識された対象物に関する状況に基づいて、当該広告物による広告効果に関する評価を決定するように構成されている、
 広告効果評価システム。

今日のみどころ

 自分の自動車に広告を掲示して報酬をもらうというサービスで、実際に「マイカースポンサー」という名称でサービス提供されているようです。

 特許のポイントは、その広告の効果を評価する技術の部分で、いわゆるビジネスモデル特許といえると思います。新しいサービスのどういう部分で特許をとるかを見極めるのもけっこう難しく、また、おもしろいところですよね。勉強になります。

 なお、この特許は、下記のサイトの管理人のシゴクリ大橋様からのリクエストを受けて読んでみました。他のみなさまもリクエストください。できる範囲で紹介したいと思います。