今回は、スマホの電話帳データに関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、サーバが実行する処理のタイミングが集中すると負荷が高まる問題があります。
この発明では、処理の時刻を、正時を含む時間帯以外の時間帯から設定するようにします。これによりサーバの負荷の集中を回避します。
サーバが実行する処理のタイミングが集中すると負荷が高まる問題
スマホなどの携帯電話機のアドレス帳情報をサーバにバックアップする技術があります。
このような技術では、アドレス帳情報をサーバに送信する時刻は、所定のタイミングに定められています。
そのため、スマホなどの携帯電話機とサーバとでアドレス帳情報を同期する処理が所定のタイミングに集中すると、サーバの処理負荷が高まるという問題があります。
処理の時刻を、正時を含む時間帯以外の時間帯から設定
この発明の通信端末(スマホ)は、電話帳データが更新された場合に、更新された電話帳データをサーバに送信して同期します。
通信端末(スマホ)は、同期を開始する時刻(第1実行開始時刻)を設定するときに、正時を含むあらかじめ定められた時間帯以外の時間帯から設定します。正時というのは、各時間の0分のことを意味しています。
ユーザは、時刻を設定するときに、正時を指定する傾向がありますが、正時を指定することを許容するとサーバの負荷が高まってしまうので、正時とその前後の時間を設定できないようにしています。
例えば、7時00分の前後5分を除く時間、つまり、6時55分から7時05分を除く時間の中から第1開始時刻を設定します。
また、通信端末(スマホ)は、電話帳データが更新されたときから第1開始時刻までの間に電話帳データが更新されたときには、開始時刻を再設定しません。これにより、同期処理の実行がどんどん遅くなっていってしまうことが防止されます。
このようにして、サーバの処理時間が分散し、サーバの処理負荷が高まることが抑制されます。
特許第6609586号 ソフトバンク株式会社
出願日:2017年3月8日 登録日:2019年11月1日
複数の携帯電話機等のコンピュータが予め定められた処理をサーバに実行させる場合に、サーバの処理負荷を適切に分散する。
【請求項1】
コンピュータを、
サーバに予め定められた処理の実行を開始させる第1実行開始時刻を、正時を含む予め定められた時間帯以外の時間帯から設定する第1時刻設定部であって、前記コンピュータが備えるデータ格納部に格納された第1電話帳データが更新された場合に、前記第1電話帳データと、電話帳管理サーバに格納された第2電話帳データとの同期処理を前記電話帳管理サーバに開始させる前記第1実行開始時刻を、正時を含む予め定められた時間帯以外の時間帯から設定し、前記第1電話帳データが更新されたときから前記第1実行開始時刻に達するまでの間に前記第1電話帳データが更新された場合、前記第1実行開始時刻を変更しない、第1時刻設定部として機能させるためのプログラム。
今日のみどころ
スマホで何か処理をする時刻を設定するときに、正時に設定できないようにする発明です。課題も解決策もシンプルです。
いままでなかったのが不思議なようなアイデアですが、なかったということですね。このようなアイデアでいま特許をとれるのが意外ですよね。こういうアイデアで特許とれると、うれしいですね!