【特許紹介】防災無線と緊急地震速報の受信装置に必要な情報をへらす特許発明(リズム時計)

 今回は、防災無線と緊急地震速報に関する特許発明を紹介します。

 従来、防災無線と緊急地震速報の両方を受信する装置には、記憶容量が多く必要であるという問題があります。

 この発明では、防災無線の地域コードから緊急地震速報受信のためビット位置に変換します。これにより、緊急地震速報受信のためビット位置の情報を保有しておく必要がなくなり、必要な記憶容量を少なくすることができます。

防災無線と緊急地震速報の両方を受信しようとすると記憶容量が多く必要

 緊急地震速報が利用されています。

 従来、ラジオ放送の音声の中に緊急地震速報のチャイム音を含める技術がありますが、アナログの音声解析では、誤検知してしまう問題がありました。

 また、テレビの放送波に含まれる特別な信号(AC信号)で緊急地震速報を知らせる技術がありますが、地域を判別するための情報を保有しなければならないという問題がありました。

 一方、都道府県や市町村などが整備している防災行政無線(防災無線)を受信する装置があります。防災無線の受信装置にAC信号の緊急地震速報を受信する機能を搭載しようとすると、防災無線の地域情報と、緊急地震速報の地域情報を別々に保有しなければならず、記憶容量が多く必要という問題がありました。

防災無線の地域コードから緊急地震速報受信のためビット位置に変換


 この発明の防災警報受信機は、防災無線から警報の情報を受信すると、警報の情報を出力します。

 さらに、放送波のAC信号に含まれる緊急地震速報の信号を受信すると、緊急地震速報を出力します。緊急地震速報の対象地域を判別するためには、AC信号の中のビット位置を示す情報が必要です。

 この発明では、警報の情報の地域を判別するための地域コードと、AC信号の中のビット位置を示す情報とを対応付けた変換テーブルを保有しています。この変換テーブルを用いて、地域コードをもとにして、AC信号の中のビット位置を示す情報を求めることができます。

 そのため、AC信号の中のビット位置を示す情報を保有しておく必要がありません。これにより、記憶しておく情報の量を削減できます。

 特許第6244320号 リズム時計工業株式会社
 出願日:2015年2月9日 登録日:2017年11月17日

【課題】
記憶容量を抑え、誤報知が少なく、確実迅速な警報の報知が可能な防災警報受信機を提供する。
【請求項1】
 送信局から防災行政無線情報及び緊急地震情報を受信する受信部と、
 自身の設置地域に対応した第一地域コードを有する信号処理記憶部と、
 部分地域コードと割当ビット番号とを対応して記憶する変換テーブルと、前記第一地域コードと同値の第二地域コードと、を有する制御記憶部と、
 前記防災行政無線情報に関する第一防災警報情報及び前記緊急地震情報に関する第二防災警報情報を出力する出力部と、
 前記受信部から前記防災行政無線情報及び前記緊急地震情報を受信する信号処理部と、
 制御部と、
を備え、
 前記信号処理部は、
 前記防災行政無線情報に含まれる地域コードと前記第一地域コードとの比較結果に従い前記第一防災警報情報の出力指示信号を前記制御部に送信し、
 前記緊急地震情報を受信したときに前記緊急地震情報内のAC信号情報を前記制御部に送信し、
 前記制御部は、
 前記出力指示信号を受けて前記第一防災警報情報を前記出力部に出力させ、及び、 前記信号処理部から前記AC信号情報を受信すると前記変換テーブルにより前記第二地域コードに含まれる部分地域コードに対応する前記割当ビット番号を求め、求めた前記割当ビット番号に該当する前記AC信号情報内にあるビット情報に従い、前記第二防災警報情報を前記出力部に出力させる、
ことを特徴とする防災警報受信機。

今日のみどころ

 防災無線と放送波という複数の情報源から情報を取得する際に、うまく情報を変換することで、保有しておく情報の量を減らすという工夫です。

 2つの機能を1つの装置にもたせるという工夫はよくあります。このようなとき、2つの機能を1つの装置にもたせるというだけでは特許をとることが厳しいですが、その2つの機能に必要な情報を結び付けたり、一方に必要な情報を他方に生かすようにして関連づけると特許がとれたりします。

 こういう観点でもアイデアをねってみましょう。