キャリア間接続網を介さずにインターネット接続して三角ルーティングを解消する特許発明 ソラコム

図2

 従来、スマホや携帯電話などの無線端末の国際ローミングのときに三角ルーティングで通信遅延が増大するという問題がありました。

 この発明のネットワークでは、国際ローミングのときに、キャリア間接続網を介さずにインターネットに接続できるゲートウェイを提供します。無線端末がこのゲートウェイを経由してインターネットに接続することで三角ルーティングを解消します。

国際ローミングのときに三角ルーティングで通信遅延が増大

 スマホや携帯電話などの無線端末が接続される移動体通信網(携帯電話のネットワーク)が各国で使われています。また、複数の国をまたいで通信事業者が無線端末の接続サービスを提供する「国際ローミング」も使われています。

 国際ローミングでは、ある事業者に接続される無線端末、つまり、ある事業者と契約されたSIMカードが挿入された無線端末がサービスエリア外、例えば外国にある場合、通信キャリア間の相互接続網とその事業者のネットワーク(ホームロケーション)を経由してインターネットにアクセスする通信経路をとります。

 このように、国際ローミングの際に通信キャリア間の相互接続網やホームロケーションを経由する通信経路(三角ルーティング)を使うと、通信遅延の増大などの問題があります。

キャリア間接続網を介さずにインターネットに接続できるゲートウェイを提供

図3

 この発明のネットワークでは、無線端末がホームロケーションを経由せずにインターネットにアクセスできるゲートウェイを提供します。

 無線端末が通信網に接続したときに、ネットワークは、無線端末の識別番号に基づいて、その無線端末が国際ローミングによって接続する無線端末かどうかを判断します。そして、国際ローミングによって接続する無線端末である場合、キャリア間の相互接続網を介さずにインターネットに接続できるネットワークのゲートウェイをインターネットへの接続に使用します。

 これにより、ホームロケーションを経由せずに無線端末がインターネットにアクセスできるようになり、通信遅延などの問題を解消します。

 特許第6323926号 株式会社ソラコム
 出願日:2017年11月9日 登録日:2018年4月20日

【課題】
第1のネットワーク(たとえば、欧州キャリア)にアクセスするための識別番号が(直接的又は間接的に)記憶された無線端末に第2のネットワーク(たとえば、日本キャリア)を介したネットワークへのアクセスを提供するための通信システム又は通信方法であって、遅延を抑制することのできるものを提供する。
【請求項1】
 第1のネットワークにアクセスするための識別番号が記憶された無線端末に第2のネットワークを介した前記第1のネットワーク以外のネットワークへのアクセスを提供するための前記第1のネットワークと接続された通信システムと通信を行う第2のネットワークであって、
 前記無線端末から、Cプレーン上の接続開始要求及びAPNを受信する受信部と、
 前記APNに基づいてDNSにより判定されたIPアドレスにより指示される前記通信システムに対し、前記接続開始要求及び前記第2のネットワークのネットワークIDを送信する送信部と
を備え、
 前記通信システムにおいて前記接続開始要求に応じて、前記ネットワークIDに基づいて選択された、前記第2のネットワークに接続される前記ネットワークへのUプレーン上のゲートウェイであって、前記第1のネットワーク以外の第3のネットワーク内のゲートウェイのゲートウェイIDを受信し、
 前記ゲートウェイIDで指示される前記Uプレーン上のゲートウェイとの間に通信経路を確立することを特徴とする第2のネットワーク。

今日のみどころ

 無線端末の国際ローミングのときの通信遅延を抑制する発明です。スマホや携帯電話での国際ローミングはこれまでもされていると思いますが、今後、通信量がいま以上に増えた場合にも不都合なく通信できるようにするための工夫と言えると思います。

 ネットワークは、単なる道であればよいという考えもあるのですが、効率よく通信をさばけるように道も進化しないといけないですね。